2004年10月31日
成熟度モデルとWeb運用
今、非常に興味をもっていること。それは「成熟度モデル」。この言葉をはじめて知ったのは3年前。ISO13407「インタラクティブ・システムに対する人間中心設計」を社内の導入した時、コンサルティングの方から教わった。面白い考え方だと思った。さらにCMMIでも中心的な考え方であった。それからのめり込んだ。基本的に組織の成熟度を示す指標と考えていい。いろいろな表現方法は存在するが簡単にいうと下記のようになる。
● 成熟度レベル1:
初期段階/組織的な管理を行なっていないレベル。プロジェクト管理は個人に依存している。
● 成熟度レベル2:
反復できる段階/プロジェクトを計画・管理する手順が存在し、それに基づいて実行している。
● 成熟度レベル3:
定義された段階/組織横断的に遂行する開発プロセスが標準化されており、それを変更しながらプロジェクトを実行し、標準プロセスの改善を行なうことができる。
● 成熟度レベル4:
管理された段階/開発プロセスを定量的に管理し、必要に応じた変更を即座に行なうことができるレベル。
● 成熟度レベル5:
最適化する段階/開発プロセスを自発的に改善できるレベル。
(参考:Capability Maturity Model Integration)
この考え方は非常に優れている。プロジェクトマネジメントやワークフローがあっても、組織の成熟度によってばらつくことはISO等で苦労してきたのでよくわかる。ではどのようにレベルを上げていくかとなった場合、この「成熟度モデル」の手法を導入するに限る。
この「成熟度モデル」はあらゆる場面で有効に使える。長期に渡るWeb運用を最適化する手法として最有力候補だろう。会社としてCMMIで2年間も学びつづけた経験をいかし、Web運用のためにカスタマイズし、顧客企業様に提供できる段階にしたいと考えている。
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2004年10月29日
高亀さんのバランススコアカード
毎日多くの方に弊社のサイトをご利用いただいている。今日は顧客企業様にプレゼントを行う。「バランススコアカードのキーサクセスファクター」と題して、高亀雅彦氏の論文「日本企業がBSCを導入する際の問題点の分析とKSFの提案」を公開することにした。
彼の論文は、経営の実務を行っている僕にとっては非常にわかりやすく、勉強になる。さらに日本人の気質も分析しておりその中でバランススコアカードをどのように経営に生かすかを具体的に提案している。興味のある方は是非一読して欲しい。
僕がバランススコアカードに興味を持ったのは今から2年前。当時ISOの運用段階に入っており経営課題が多かった。また悩みが多かった。最大の悩みは、ISOのプロセスマネジメントは経営健全化とどのような関連性があるのか見えなかった。つまり本当に売上に貢献するものなのかという疑問。暗中模索しているなかで、シックスΣにその答えを見出そうとした。一年掛りで僕をはじめ6名の幹部がシックスΣの導入の為コンサルティングを受けているときだった。研修センターの壁にバランススコアカードの4つの視点が貼ってあり、それを見た瞬間、これに答えが隠されていることを直感した。それ以来随分研究して社内システムに活用している。また当初の疑問であったISOの導入は間違っていないことも証明した。いまでも幹部にはセミナーを受けさせている。
高亀氏の論文を読み、僕のやり方のダメな点、また良かった点が整理できた。今後この論文から得たものを経営の実務に生かしたいと思っている。
バランススコアカードのキーサクセスファクター
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2004年10月27日
ページを構築する
「ページを構築する、あるいはページを建てる」。こんな言葉誰も聞いたことがないと思う。僕自身もサイト全体は構築するものだが、ページは描くものだと思っていた。ところが先日拝読させていただいた「Designing with Web Standards ~XHTML+CSSを中心とした『Web標準』によるデザインの実践」の読書後の感想は、「ページを構築する」という意識に変わっていた。
Semantic Web(セマンテックWeb)という言葉は次第に社会浸透してきており、将来のWebのあるべき姿として注目されはじめている。Semanticを文字通り訳せば「意味的な」ということになる。言葉中心の考え方から内容の意味中心の時代が到来するということ。
Semantic Webの時代には、メタデータ(データに対する付加情報の総称を示す抽象的な概念)やWeb標準が重要な役割を果す。我々はプロとして今からその時代のために準備が必要だ。「ページを構築する」という概念をまず頭に叩き込まなければならない。
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2004年10月26日
新潟県中越地震
ミツエーリンクスは新潟県中越地震で大きな被害を受け、いまも二次災害を心配する方々を救援するため、日本赤十字社を通して見舞金を贈ることを決めた。弊社が社会に向き合う基本姿勢は「心は形を求め、形は心をすすめる」。今日からまた雨だという。土砂崩れには十分注意していただきたい。一日も早く普通の生活に戻れるようお祈りしたい。
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2004年10月25日
インテグレーション
インテグレーションという言葉をキーワードにすると、ますます深みにはまりやることが多くなる。マーケティング的に言えば、IMC(Integrated Marketing Communication:統合型マーケティング・コミュニケーション)も大きなテーマではあるが、この業界は技術統合・技術融合という課題も多く存在する。
また、あまりにも先へ先へと走りすぎたのか、それとも表層的なデザイン性だけを追い求めてしまったのか基本中の基本であるHTML(XHTML)の文法が正確に書けないという問題がある(反省も込めて、我々は問題の解決に着手した)。日本の99.9%のサイトはW3CのValidatorでチェックすればわかる通り、文法ミスが存在する。今後XMLが主体になると「アプリケーション間の効率的なデータ交換」が実現されるが、反面正確な文法遵守は不可欠になる。高度な情報の可用性を実現するためには、W3Cが勧告する標準化に協力し準拠するよう日々努力していくことがとても大切だと痛感する。
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2004年10月24日
Designing with Web Standards
弊社、木達君(W3C Advisory Committee Representative)が技術校正者として参加した「Designing with Web Standards ~XHTML+CSSを中心とした『Web標準』によるデザインの実践」という翻訳本が発売され、僕の手元にも一冊届けられた。今日は拝読させていただいた。素晴らしい本だった。改めてWeb標準化に取り組むことの意義を確認した。
全社をあげてWeb標準化へシフトするとともに、社会浸透に力を注ぎたい。木達君、まずはお疲れさま。
:木達君のコラム(Designing with Web Standards)
:弊社サービス(Web標準準拠サービス)
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2004年10月23日
CMMI導入
昨日は、肩の荷が下りた感覚だった。脱力感にも似た疲れがあらわれた。足掛け2年近く活動してきたCMMI(Capability Maturity Model Integration)プロジェクトに成果があらわれて公式に発表できたからだ。
ミツエーがシステム部門を持ったのは1995年11月だった。当時慶応の院生だった久世君とPerlの勉強をしたのがはじまり。歴代皆優秀だったが経営者としてニガイ思いを多く経験し、ニつの疑問を持ちつづけた。それは、「技術があるのに、なぜ納品物の品質にばらつきが発生するのか?」「皆、意欲的に仕事に取り組んでも、なぜクレームが発生するのか?」
この課題の突破口となったのが、1999年に編み出した「プロセス」という発想だった。これを具現化し社内浸透するためにISOというマネジメントフレームワークを活用した。その道のりはあまりにも厳しく耐えがたいものがあった。社内浸透してきたなあ、と思うまで何と3年間かかり、その期間は絶えず同じことを言いつづけなければならなかった。
そして最後に残ったシステム部門の改革として最も難解と言われるCMMIにトライすることを決断した。今から約2年前の話である。トライすると言ってくれた高田氏も立派だったし、よく協力してくれたシステム部門、MS部門、全スタッフに感謝したい。全スタッフを誇りに思う。CMMIレベル2の達成は、ミツエーの独特の文化をもって成しえた快挙だと言えるだろう。
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2004年10月22日
悪貨が良貨を駆逐する
こんな言葉があった。どう思うかはひとそれぞれだが、社会生活をしていると「そうでもないなあ」と感じる。
特性を調べると悪貨はパワーフルで、良貨は包容的だ。したがって対峙した初期段階では、一見「悪貨が良貨を駆逐する」するような現象が起こる。しかし、時間が経過するうちに良貨は押し戻し、悪貨はいつのまにか消えてなくなる。悪貨はどうも持続力と社会性に欠ける特性があるようだ。
我々の業界は、将来性はあるがまだまだどこも小さい。力強く前進しなければならないが、持続性と社会性を忘れた活動をしては成らない。
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2004年10月21日
生きるとは何か
20歳そこそこで読んだ本で、「生きるとは何か」(島崎敏樹)がある。その本の最後のページの最後の2行を今でもたまに思い出す。
確か、「生きるとは、自分と共に歩もうとする友と、肩と肩を組み、前方に見えるかすかな光に向かって一歩前に進もうとする存在ではなかろうか」だと思った。特に感動した部分は、「・・・前に進もうとする存在・・」のクダリ。人生とは結果ではく、過程にこそ価値が存在していることを学んだ。
我々は、まだ小さな会社だが、闇雲に結果だけを評価するのではなく、皆で目標に向かって毎日努力しているその過程(プロセス)そのものにも価値を見出し、力強く前進していきたいものだ。
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2004年10月20日
可用性
可用性とは聞き慣れない言葉であるが、機密性・完全性と並んでBS7799/ISMSの重要なキーワードのひとつ。可用性とは「認可された利用者が、必要なときに、情報及び関連する資産にアクセスできることを確実にすること」を意味する。
昨日航空会社系のシステム企業様が来社され、面白いシステムを紹介いただいた。電話からデータベースホストの情報を自由に取得できるというもの。これらの技術にはVoice-XML技術、音声認識技術等が使用されるわけであるが、お話を伺いならが思ったことがある。普通の電話機からもWebサイトに自由にアクセスし、必要な情報を自由に取得できる時代が来ると。
どのデバイスからもWebサイトにアクセスできるという、もうひとつの「可用性」が進行しているなかで、我々の分野が達成しなければならないミッションは多い。Web標準を社会浸透させていく意義はこのような周辺技術の進化をさらに加速させることでもあるだろう。スタッフ各自のそれぞれの専門分野をたゆまなく研究し続けて成果を出して欲しい。
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2004年10月19日
親の屍を越えて
親の屍を越えて。という言葉がある。親が如何に優れていて子が実にバカ息子であっても、子供の代になれば、その親の屍を越えて成長していくという意味。親が心配しなくても子供はその時代の中で悩み苦しみ、生き方を見つけてしっかり成長していくとも読めるし、子供が成長するためには親がしっかり踏み台を自らの生き方を通してつくってあげなければならないとも読める。
今の社会現状は実に面白い。戦後どさくさにまぎれて財を形成し、土地神話でさらに財を膨らませてきたオールドエコノミーが音を立てて崩れかけている。一方産業構造が大きく変化する今、新しい新興勢力が力をつけ、新旧ぶつかりあっている。
このような現象は、歴史を遡れば、常に発生していることであり別に驚くようなものではないと思うが、目の当たりにすると実に刺激的でもある。
ミツエーを構成するメンバーの平均年齢は28歳。若い。良い意味でも悪い意味でもこの事実をしっかり学び、親の屍を超えて一歩一歩前進していきたいものだ。
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2004年10月18日
ニッチ戦略とBlog
マーケティング戦略のカテゴリーの中に、競争対抗戦略というものがある。
競争対抗戦略にはリーダー戦略(トップ企業)、チャレンジャー戦略(No.2企業)、フォロワー戦略(No.3企業)、ニッチ戦略(No.4企業)があり、その特徴は図の通りだ。企業の置かれている環境の違いによって、取るべき戦略方法論に違いが出てくると考えられている。
今日スタッフと話していて思ったことに、ニッチ戦略にはBlogが合うなあと思った。ニッチ戦略を実行している企業は、範囲は狭いが熱狂的なファンをもっている場合が多い。これらの層は、イノベーター理論で言えば、イノベーターやアーリーアドプターという層が多く、上手く活用すればオピニオンリーダーとして市場に対して積極的な広報活動さえ行っていただける層だとも言える。情報社会のもう一つの側面は、企業が自社を愛するファンと共に企業や製品を育てる時代といえるのではないだろうか。
企業活動におけるBlogの活用。これからが本番であろう。
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2004年10月17日
Google Desktop Search
先週につづいて2週連続日曜日の昼食は近くのファミリーレストランだった。店員に「今日のおすすめは、○○です!」といわれると、「では、それ、お願いします」とオウム返しのような返答をする自分を発見した。特に食べたいものが有るわけでないのでそれでいいわけであるが、迷いのあるときは「強い情報」になびくものだなあ、と思った。
ところで、米Googleは14日、「Google Desktop Search」のベータ版を公開した。これはローカルなコンピュータの中に含まれているファイルを高速に検索できるアプリケーション。インターネットのみならずパソコン内の検索まで進出か、と驚いた。僕はパソコン内のハードディスクが大容量になっていることにかまけてどんどんファイルが多くなるがついつい整理を怠ってしまう。「あれはどこに保存したかなあ」と、自問自答しながら時間だけが過ぎていく。こんな僕にはぴったりなサービスかもしれない。
情報の使い方には、4段階あるといわれる。
1.情報の収集
2.情報の整理
3.情報の分析
4.情報の活用
Google Desktop Searchのようなサービスが出現してくると、「1.情報の収集」「2.情報の整理」は非常に楽になりそうだ。「3.情報の分析」「4.情報の活用」は個々の判断によるものであろうが、一般的に収集方法と整理方法が同じと分析結果も近づく可能性があるかもしれない。さらに活用方法に迷いがあると市場で流通している「強い情報」に流される傾向も否定できない。
こういう時代であればこそ、先入観を持たない独自の視点、あるいは複眼的な視点で物事を見る癖をつけることが大切であると思う。
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2004年10月16日
The Elements of User Experience
優れた考え方にめぐり合った。The Elements of User Experience(ユーザーエクスペリエンスの要素)という本。User-Centered Design for the Web(ウェブのユーザ中心設計)と副題がある。フロントエンド・エンジニアがもっていた本であるが、思わず「借りていい?」と言葉が出てしまった。
僕がこれだと思ったのは、planesといわれる階層の考え方と具体的な設定方法。実に良く出来ている。まず、下記を参考にするとイメージしやすい。
the simple planes poster
the original diagram that started it all
Webを構築する場合、本来、下から上に(abstract-->Concrete)に向かって作業を進めることが重要だ。しかし、実際の作業は上から下に向かう傾向にある。その原因は、Webが「構造物」であることを10年経過してもなかなか社会に浸透していないため、お客様がどうしても表面(Surface)的な最終デザインだけに目が向きやすく、さらに我々もそれに引きずられる傾向にあるからだと思う。
このような考え方が社会浸透していくことは我々にとって嬉しいことである。よりクオリティの高いサービスが提供できるからだ。現状英語版しかないが、近く日本語翻訳されるらしい。期待したい。
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2004年10月15日
企業Blogの思わぬ波及効果
面白いことを発見した。ミツエーのサイトは5本の企業Blogが走っている。2本は毎日、残りの3本は週2回更新している。これらは顧客企業様や採用応募者に対するサービスの一環として行っているものであるが、思わぬ波及効果があることがわかった。それぞれのBlogは各担当が責任をもって行っているが、
1.自分の書いているものが外部に出ることによって、なんとなく毎日が楽しい。
2.BlogはCMS機能があるので、間違ったらすぐ直せばいいや、と思えるので安心。
考えてみれば、企業活動をしている中で、従業員がメディアを通して自分の顔や生の声を発する機会は通常あまりない。企業Blogは外部への情報提供だけでなく、うまく使いこなせば従業員のモチベーションアップに繋がるということを発見した瞬間だった。
今日、企業Blogの使い方として、DNA型Web構築ソリューションをリリースする。是非有効活用していただきたい。
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2004年10月14日
キャズムとWebサイト
キャズムという言葉にはまっている。この言葉はいろいろな局面で使うことが出来ると感心する。キャズムは超えがたい深い溝を意味する。
個人でもある。ある一定のレベルまではとんとん拍子で成長するが次のステップが目の前にあってもなかなか超えられない。
組織でもある。100名の壁というものが有るらしく、なかなか超えられないという。事実ミツエーも100名の壁を超えるためには苦闘の連続だった。いままでの延長線では超えられないのだ。不思議だった。社内の全てを整理し、システム化し、制度を整え、仕事のやり方も定義してはじめて壁を超えることができた。
実はWebサイトも同じなのだ。訪問者が13万人/月(45万PV/月)に届いたかなと思った瞬間に伸びがとまった。不思議だった。いろいろ分析すると・・・今までの考え方・やり方では次の段階にはいけないものがあることを発見した。正にキャズムだった。
Webサイトに訪れるユーザーには「層」があり、この層を明確に定義し、それぞれの層に適したサービスが必要であること。それぞれのコーナーには明確なミッションを持たせ、その機能を達成できるように支援すること。さらにWebサイトという構造物をより多元的構造物ととらえてユーザー層に合わせたエントランスを作ること。つまりマルチエントランス方式を組み込むこと。このように複合的な施策によってこのキャズムを超えることが出来ることを発見した。そして一端キャズムを超えてしまえば、普通に運用していても上がりつづけることも。
BtoBの企業でありながらミツエーサイトに訪れる外部からの訪問者数は、200万人/年(650万PV/年)ペースで推移する。スタッフによってさらに改善されて行くだろう。ミツエーの全スタッフが自ら実践によって証明したミツエーリンクスらしいソリューションを顧客企業様に提供していかなければならないと考えている。
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2004年10月13日
情報
クラウゼヴィッツ(Carl Phillip Gottfried von Clausewitz:1780-1831)の戦争論によれば、「情報という語は、敵及び敵国に関する知識の全体を意味し、従ってまた、戦争における我が方の計画ならびに行動の基礎をなすものである」と。孫氏は情報に関して、「故に曰く、彼を知り己を知らば、百戦あやうからず」、同時に「敵を知らずして己を知れば、一勝一敗す」、「彼を知らず己を知らざれば、毎戦必ずあやうし」。昔から情報の大切さは語られている。
情報社会における情報発信は実に難しいものがあると思う。伝えたい顧客だけでなく伝えたくない競合にまで情報が筒抜けになる。情報発信は常に両刃の剣と認識した上で行うべきものだと常々思う。何時、どこで、誰に、なぜ、何を、どのように・・と自覚なき情報は効果どころかかえって企業をあやうくしてしまうことさえある。
昔、ビルゲイツがある書籍でこんなことを言っていた。「開発段階での社内の情報共有は実にリスクを負う。必ず外部に情報が漏れるから。しかし、そのリスクよりもプロジェクトの前進がはやいという効果のほうが相対的にメリットが大きい」。
情報開示が大切だと闇雲に世間はいうが、企業にとって情報発信や情報開示は、ある種の覚悟と明確なスタンスが必要な時代のように感じる。
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2004年10月12日
今日からOHSAS開始
今日からOHSASの運用が始まる。昨年の11月にやることを決め、OHSASのマネジメントシステムの構築フローにしたがって作りこんできた。完成まで11ヵ月掛けた。MS本部が中心的役割を演じてくれた。みなさんお疲れさま。よくやった。
ミツエーのような業種は本来、付加価値創造産業なので長時間働いたからといって評価される業種ではない。時間内に成果を出してナンボの世界ということ。成果がでなければ出来るまでやっていただくしかない。反面、一般社会に受け入れられながらこれ以上の規模を目指す場合、就労時間やスタッフの心や身体に配慮した企業活動を行わないことには持続性に欠ける。
OHSASを開始する以上、業務効率は欠かせない。今後徹底的に業務効率のための施策にでる。その辺のところをしっかり理解しながら、OHSAS、しっかり運用して欲しい。
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2004年10月11日
新サービスの開発プロセス
ミツエーの場合大前提として「経営革新ツール」としてのWebソリューションを目指す。ただし、Webが企業を変えるなどというおこがましいことは考えない。むしろ顧客企業様の経営の意思から生まれる企業戦略、企業戦略から生まれるマーケティング戦略、マーケティング戦略から生まれるWeb戦略を如何に最適化し、経営の意思を満足させるかが大切だと認識している。なぜか? それは単純明快。企業存続と発展は、「企業の独自性」に依存する以上、企業のコアの部分=「企業としての意思」を忘れて我々がWeb戦略はこうあるべきといっても成功するはずがないからである。
新サービス開発においても上記のような考え方を念頭において行う。したがって用途に合わせたサービスが必要になり、結果的に数が多くなる傾向にある。
ミツエーが新サービスを開発する場合のプロセスはこんな具合。まず、経営課題のどの部分を解決するかを抽出するために、バランススコアカードを使用する。それによって得られた課題を解決することによって、最終的な経営インパクト(利益や売上)にどのようにつながりを持たせることが可能かを検証する。この紐付け作業もバランススコアカードを使う。(紐付かない場合は補完するサービスをさらに追加する)。次に、本来あるべき姿と現状のギャップを測定し、CTQ(Critical To Quality=決定的な意味を持つ数少ない要因)をとらえるためにシックスΣを使用する。この作業によって解決すべきツボを明確にする。次に具体的な手法を採用するために各種マーケティング手法や具体的に現場で行っている手法を組み合わせ、アレンジしていく。最後にWebの特性を加味しながら具現化していく。このようにして生まれる新サービスは実効性の高いソリューション(問題解決)だと思っている。
余談になるが、最終的に僕が目指すところは、現場のひとりひとりが新サービス開発を行う環境にしたいと考えている。現場こそ宝の山であるからだ。このように開発プロセスも定義し、教育を行っているのはその日の到来のためだ。
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2004年10月10日
則天去私
久しぶりに風邪をひいてしまった。土曜日曜とたっぷり布団の中にもぐりこんでいた。僕の風邪は汗が出るので、下着が大雨にさらされたようになる。一晩で3―5回着替えが必要。着替えがなくなる前に復活できてよかった。
熱にうなされていても、不思議に頭では仕事のことを考えている自分を発見した。例えば、新サービスが立て続けに控えているのでそのネーミングの件、一年掛りで構築したOHSASが10月11日スタートになるので社内の体制は大丈夫か、体調を崩したスタッフがいるようだが大丈夫か・・・経営者というものはみんなこんなものだろうなと思った。
先日弊社の長老、斉藤さんから夏目漱石が書いたといわれる「則天去私」という書をコピーしていただいた。天に従って私心を捨てるという意味。漱石の晩年の悟りの境地だと聞いたことがある。20代の時の僕は「何で私を捨てるの??」と思ったことがあるが、最近は好きな言葉になった。おそらく世界と自分の和解を意味するものであり、さらに「主客合一」という東洋的な匂いがする。弊社の大幹部は殆どが30台前半で非常に若く、「則天去私」という言葉には興味がないだろうが、もう少し年輪を重ね、こういう言葉を理解し体得するとますます会社は発展するだろうなあ、と何気に感じた。
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2004年10月08日
セミナー
3ヵ月前より、月2回セミナーを開催している。おかげさまで好評なようだ。昨日の役員会で月3回の開催は可能かという意見があった。というのも告知早々すぐ満席近くになってしまって、受講できない方が出そうだということであった。多くのお客様からご興味を示していただいてありがたいものだ。
一見、次から次へ出る新サービスと思われがちだが、ひとつひとつのサービスには非常に時間をかけている。平均6ヵ月の開発期間を設けるというのが弊社のスタンス。実際、開発途中で仮説とは違った結果が出る場合も多い。仮説以上の効果が実証される場合もあるし、そうでない場合もある。そうでない場合は没することになる。このようにして生まれた新サービスは高い確率で効果を保証している。主要顧客の特殊性からBtoB向けのサービスが多いが、弊社のそれぞれの専門スタッフが検証に検証を積み上げたひとつひとつの新サービス。是非有効利用していただきたいものだ。
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2004年10月07日
Flash Communication Server (FCS)
動画関連の取り組みは非常に長い歴史がある。1994年、IBMがGUI対応のパソコン通信サービスを開始した当時に遡る。モデムの通信速度が2400ボーという時代にどのように動画を配信していくかというテーマだった。1ヵ月IBMの本社に通いつづけて何とか配信可能な領域まで高めた。それでも、当時の圧縮技術では、フレームレート4、横160×縦120で15秒の動画を配信するには、ファイルの大きさが800K前後であった。環境の悪いユーザーがそのファイルをダウンロードするには3~4時間かかった。それでも大変人気があった。いや~ 懐かしい。
そんな歴史を背負っているからか、いまでもブロードバンド系の部門は独自に研究開発を行っている。今はインフラ環境がいいからうらやましい。Flash Communication Server (FCS)も実験的に立ち上げた。明日からFCSを活用したコンテンツを公開していく予定。
ブロードバンドコンテンツは作り手やユーザーにとっては楽しいものだが、それだけでなくマーケティング活動にとっても有効な手段だと考えている。特にWebサイトが成熟し満足できる訪問者を獲得した次の段階として、イノベータ理論で言うレイトマジョリティ、ラガードという層をサイトに誘引する仕掛けが必要になってくる。この段階になるとブロードバンドコンテンツは有効だと考えている。
参考:Flash Communication Server (FCS)実験デモコンテンツ(明日公開予定)
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2004年10月06日
コンサルティング
ミツエーのことをコンサルティングを行っている会社だと勘違いしている方が多くなっている。応募の方のメッセージを見ても海外からの問い合わせを見ても、そう感じる。ミツエーは、ページを作るという考え方よりもサイトを作るという考え方をするし、サイトを育てて訪問者を増やし、顧客企業様の経営にインパクトを提供するために運用計画を立てるという考え方をするので、マーケティングの手法や法則を多く活用する。また現状分析には統計的な手法を使い顧客企業様に合った改善を行うので、一見コンサルティングと思われやすい。しかし、ミツエーは最後の作り込みまで責任をもって自社で行うワンストップソリューションの制作会社だし、そうでなければならないと日頃思っている。
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2004年10月05日
雨
今日は雨に起こされた。秋の雨は「サーーー」と静かに音を立てて降る。卒然、小学校1年の頃を思い出す。「そういえば、あの頃、こんな雨の日、栗拾いに行ったなあ」って。懐かしい思い出の瞬間を今日の雨は提供してくれた。物理的なタイムトリップは不可能でも、いざ心のこととなると如何様にもなる。過去にも未来にも行ける。きっかけさえあれば。
ミツエーは、ライティング、デザイン、動画、音声・・それぞれ表現機能を持っている。それぞれひとに情報を伝達するために必要なものであるが、ただ単に正確な情報を伝えたり、きれいだと思わせるだけでは不十分。我々は、その一歩先の扉を開いてあげることが仕事だ。「連想」という扉である。さらに扉とは何かというとそれは「きっかけ」になる。この段階に達するには永遠に努力が必要だ。創意工夫が大切だ。目に映る自然現象や耳で捉える自然の音を、忠実に捉える心の訓練が必要だ。
自分がNo.1になりたいのであれば、テクニックだけでは達成できない。心を磨き続けることだ。
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2004年10月04日
ばらつきと標準化
最近、考えてみれば同じことを言っているのだと発見した言葉がある。「ばらつき」と「標準化」である。ばらつきを無くすということは、標準化するということであり、標準化するためには、ばらつきを無くすことによって達成される。
工業製品でもないのに、なぜ、「ばらつき」や「標準化」に興味を示すかというと、我々のようなクリエイティブ部門を持つ企業は、情報が全てだ。前工程から後工程へバトンタッチされる情報にはかならず情報劣化が発生する。その欠落した情報によってクリエイティブ作業を行うと成果物に悪影響を与える。月間100種類以上の成果物をアウトプットする場合、この部分の改善は必要不可欠だ。将来数千の成果物でも情報の劣化(ばらつき)を起こさないために、標準化への取り組みは重要なテーマだ。これらを科学的アプローチするためにシックスΣのばらつき、トヨタの標準化を研究している。それにしても、シックスΣとトヨタ、似ている。
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2004年10月03日
もうひとつの5W1H
今日は興味深い本を読んだ。一生掛かってもこの本の内容ひとつひとつをモノにしていきたいと思ったほど感銘を受けた。最後に本文で使用された用語集の付録があり、その一つを読んで思わず笑ってしまった。通常5W1Hは、Why、What、Who、Where、Whenのそれぞれの頭文字をとった5Wに、Howの1Hをさすが、そうではないのだ。
5Wは、5つのWhyであり、「なぜ」を5回くり返せば本当の要因がわかり、どうすればよいか(How)がわかってくるというもの。30年近く前に書かれた書籍であるが、このユニークな科学的アプローチと、一度覚えると忘れられないメタファの使い方というのだろうか、とにかくタイトルのつけ方が実にうまい。
当時の副社長が自社の生産方式について書いた書籍であるが、現在世界的な企業になっている。会社で使う用語ひとつひとつまで明確に定義しており、現在も脈々とその精神が受け継がれている姿を目の当たりにすると・・・・・我々はままごとか会社ごっこをしているに過ぎないことがわかる。
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2004年10月02日
イチロー
2年前、社員のリフレッシュ用に借りていたシアトルの施設に行った折り、マリンスタジアムでイチローの試合を観戦した。一緒に行った橋本君がどうしてもイチローを見たいということで、ついつい僕もその気になってしまったのが発端。
我々はライトスタンドに陣取ったので、ライトを守るイチローの姿を近くで見ることができた。試合中のイチローの行動は他の選手とは明らかに違った。守備の時、ピッチャーがボールを投げる3秒前まで必ず足・腰・手・腕・肩の屈伸運動等を続けている。イチローにはタダ待つということがない。ピッチャーがセットポジションにつく瞬間までは準備運動にすべての時間を費やしていることになる。
昨日、イチローは年間安打数259本を達成し大リーグ記録を更新した。資質があることは確かであろうが、その資質を自らのたゆまない努力によって磨きつづけている姿に改めて感動した。
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2004年10月01日
RSS作成サービス
Googleニュースが開始されてから一ヶ月。僕の生活習慣が変わった。朝会社に出社するとGoogleニュースを開き、「Web」と入力する。610のニュースサイトからWebに関する最新ニュースのヘッドラインが一気に閲覧できる。興味があれば各ニュースサイトに飛ぶ。いままで非常に苦労していた情報収集時間が一気に短縮。さらによく閲覧されているニュースが上位にくるのでどのニュースに市場が反応しているかも推測できる。
本日、「RSS作成サービス」をリリースした。一言で言えば、RSSというサイトの更新情報(の要約)をXML形式にする作業を自動生成するプログラムにより提供するサービスである。活用方法は、Googleニュースの僕の活用方法をイメージしている。ユーザは、自分の興味あるサイトの最新情報をRSS専用ブラウザ(RSSアグリゲータ)を使用して、一気に取得する時代が来るだろう。企業サイトにおいてもRSSの設置は、既存顧客はもとより潜在顧客に対してもサイトにある情報を効率的に届けることを意味し、サイトの集客を増大させる。企業サイトのRSSの設置は当たり前の時代がすぐそこまで来ている。