2004年10月13日
情報
クラウゼヴィッツ(Carl Phillip Gottfried von Clausewitz:1780-1831)の戦争論によれば、「情報という語は、敵及び敵国に関する知識の全体を意味し、従ってまた、戦争における我が方の計画ならびに行動の基礎をなすものである」と。孫氏は情報に関して、「故に曰く、彼を知り己を知らば、百戦あやうからず」、同時に「敵を知らずして己を知れば、一勝一敗す」、「彼を知らず己を知らざれば、毎戦必ずあやうし」。昔から情報の大切さは語られている。
情報社会における情報発信は実に難しいものがあると思う。伝えたい顧客だけでなく伝えたくない競合にまで情報が筒抜けになる。情報発信は常に両刃の剣と認識した上で行うべきものだと常々思う。何時、どこで、誰に、なぜ、何を、どのように・・と自覚なき情報は効果どころかかえって企業をあやうくしてしまうことさえある。
昔、ビルゲイツがある書籍でこんなことを言っていた。「開発段階での社内の情報共有は実にリスクを負う。必ず外部に情報が漏れるから。しかし、そのリスクよりもプロジェクトの前進がはやいという効果のほうが相対的にメリットが大きい」。
情報開示が大切だと闇雲に世間はいうが、企業にとって情報発信や情報開示は、ある種の覚悟と明確なスタンスが必要な時代のように感じる。