ミツエーリンクス

創業者の独り言

2006年08月30日

去華就実

田舎の自分の部屋(旧)に「去華就実」という掛け軸がある。物心がついたころからその存在は認識していたが、その意味には興味を持つことはなかった。去華就実とは「外面的な華やかさを退け、実質あることに専念しよう」というものらしい。

おそらく40年以上もその部屋の片隅にあるものと思われる。春先に帰郷したときもその掛け軸はあった。久しぶりに掛け軸を見た瞬間、違った意味にも解釈できることに気づいた。(全く自分なりではあるが・・・)

それは、「華が去って、実り就く」(華が咲き散ったあとに果実がうまれる)。
創業当時、小さな音声スタジオがあった(現在は立派になっている)。当時、財政的に余裕がなかったので声優(声の役者)の卵を育てて収益につなげようと考えていた。ある声優を育てるためにいろいろ努力した。チャンスがあれば雑誌等に紹介記事が出るような配慮もした。そんな努力の積み重ねの結果、彼女はFM放送のレギュラーを獲得した。そのとき、弊社の仕事をやめると言い出した。困ったが、彼女の立場になればそのために頑張ってきたのだし、声優としての「華」ということになり・・・・苦しかったが・・・「ダメ」とは言い出せなかった。結局弊社の仕事をやめた。ところが1クール(3ヵ月)後、明るい笑顔で戻ってきた。曰く「FM放送のレギュラーは一度経験すればそれで満足なんです。だからやめました。また、戻ってミツエーでやります。もっと稼ぎたいし・・・・」。
よかったと思った。

ひとは、植物の花と同じだな、と思う。
花なくして実りなし、花のあいだも実りなし。花が咲き、散ったあと「実」がうまれる。

これらの教訓から、幹部諸君に言っていることがある。
・部下に実績(実)を求めるのであれば、その前に部下の華(夢・・やりたいこと)を支援するものだ。
 (当然のことながら、部下においても、自分の目指す「華」が、組織にとって「実」につながるものかどうか十分検討しなければ、有機的関係性は生まれないだろう)

何かに固執したり、「俺が俺が・・」となる人は、まだ、華を咲かせていないだけ。・・・華をさかせてほしいといっているだけのはなし。したがって早く華をさかせてあげればいい。一度「華」を獲得すれば、必ず、視点は「実」に移すものだと思う。運よく自分の華を咲かせることができたら、自分だけが咲き続けようなどと思うのは図々しいことだ。実りから得たものを使って種をまき、より多くの同僚や部下が見事な華を咲かせることができるよう支援することを忘れてはならない。

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2006年08月23日

8月23日は家族の日

今年も「ミツエー家族の日」がやってきた。従業員のご家族の協力とご理解なくして、組織は円滑に機能しないという思いがキッカケではじめた。今年で2年目。多くのご家族にご参加いただいた。中にはご両親が大阪から上京された方もおられた。スケジュールは昨年と同じ。
お子様も多数参加していただいた。お子様の声が社内に響くと社内全体が和み、不思議な雰囲気になることを発見した。子供というのは大人を勇気付けることも同時に感じた。仕切っていただいた事務局に感謝します。また、参加していただいたご家族の皆様にも感謝いたします。ありがとうございました。

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2006年08月22日

心の健康と企業としての改善策

昨日のエントリーに関連して、心の病へのプロセスに関してどのような研究をしているのか質問があった。改めて質問されると自信はない。ただ、経験上、傾向として捉えているものは下記の通り。

まず、大概のひとは生活の「軸」を最低2つはもっていると思う。たとえば、プライベートの生活における「何か」と仕事における「何か」。プライベートの何かとは家庭であったり、趣味であったり・・・。仕事における何かとは自分の専門分野だったりする。
心の病になる場合、一方の軸において何らかの大きなトラブルが発生し、それが一定の時間に解決されない段階で他方の軸においてさらにインパクトのあるトラブルが発生する場合に起こりやすい。もちろんストレス耐性はひとによって違うのでみんながなるとは限らない。

また非常によく仕事をするひとであるが、公私の切り分けが上手でないひとは、何らかの問題をキッカケにバランスを崩しやすい。

同じく非常によく仕事をするひとであるが、長時間残業を一定の期間続けた場合、心のバランスをなくしチーム内で何らか(特に関係性)の問題が起こりやすい傾向にある。この数字は月間100時間以上の残業を3ヶ月以上続く場合顕著に現れる傾向にある。

性格的には、ある問題が発生したとき、その矛先を自分自身の内面に向け“過ぎる”ひと、さらに、外部一辺倒に矛先を向け“過ぎる”ひともなりやすい。

一概に悪いとは言えないが、入社3年過ぎると一通り業務に慣れ、個人差はあるが一定の満足を獲得したときにも「心の隙」が発生し、バランスを崩す傾向がある。

弊社の場合、組織上の上下の関係性でバランスを崩すパターンは少ない傾向にある。それはフラットな組織であることと、「言う権利は保証」する社風があるからだと思う。・・・もちろん全く皆無だとは断言することはできないが・・・

これらの対応として無策ということではなく、何らかの施策を行っている。
たとえば、自分自身の「軸」を増やす方法として「社内転職制度」を設けている。バランスを崩す兆候は遅刻や欠勤に現れる傾向にあるので、これらの情報は毎週社内に共有し、何らかのアドバイスを行うことになっている。OHSASの規定で90時間以上の残業を行わない目標になっている。現在全体人数の6%が超えているが毎月上司や本人に情報をフィードバックしながら改善を呼びかけている。さらに100時間を2ヶ月連続で超えた場合は強制特別有給を取らせる仕掛けになっている。勤続4年毎に社員に対して1ヶ月の特別有給か、2週間の特別有給+特別報酬を支給(社内ではステップアップ休暇と呼ぶ)している。6年以上勤務の方には4年毎に短期特別有給を支給している。つまり4年以上勤務者には2年間隔で何らかのリフレッシュ有給があることになる。
また、部門間のコミュニケーション活性化策としては2週間に一回、ミニパーティーと称してビールとつまみを用意し45分間ではあるが楽しんでいただく時間を提供している。
・・・・まだいくつかあるのだが切りが無いので・・・・・

このように一定の施策は行っているが、会社が個人のプライベートや心の問題に入り込むことには限界がることの事実をつかみ、今後の予防処置として新たな施策が必要と考えて、EAP(Employee Assistance Program)導入に踏み切った経緯がある。

経験的な判断と経験的な施策を実行しているだけで科学的な根拠などあるわけではないが、ひとは企業にとって宝である以上、今後も気づいたところから、さらに可能なことから少しずつ前進していかなければと考えている。

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2006年08月21日

心の健康

本日の朝日新聞一面に、「心の病 30代社員急増」というタイトルで大きく載っていた。(asahi.comにおいてもトップ
社会経済生産性本部メンタル・ヘルス研究所が今年4月、全国の上場企業に、「メンタルヘルス(心の健康)の取り組み」に関するアンケートを郵送。社員のうつ病、神経症、統合失調症などに関する状況を聞き、218社から回答を得た結果を集計したものだという。30代が多いのは、「成果主義」の普及、「職場コミュニケーションの機会低減」、「管理職の年代が40代から30代に若返っている」・・・・等があげられている。同研究所では「心の病の増加を抑えていくためには、職場内の横のつながりをいかに回復していくかが課題だ」としている。

他人事ではないなあと思った。EAP(Employee Assistance Program)を今期から開始しているわけだが、先日契約しているアドバンテッジリスクマネジメント社から第一回目の報告をいただいた(報告は弊社の全体的な傾向であり、個人的な情報は一切公開されない)。

弊社においては新聞の内容とは傾向が少し違う。特徴をあげれば、
1. 最もストレスの多い年代は20代
2. プライベートにおけるストレス傾向が一般企業より多い
弊社の場合、平均年齢が若く、技術を磨きながら業績も同時に作る世代が20代後半のため。また、家庭においてもお子さんが1-5歳前後(小学生前の乳児や幼児)が非常に多く、プライベートでも負荷のかかりやすい環境にあるのではないかと分析している。

「心の病」になるプロセスもある程度研究しているつもりだが、初期の段階で会社が気づくことは難しい。予防策はできる限りおこないたいと考えているが、各自、EAP(Employee Assistance Program)を活用し、おかしいな、調子が悪いなあと思ったら、遠慮せずに即専門カウンセラーに相談していただきたい。金銭的な負担はありませんし、また、個人の情報が会社の内外に通知されるということもありませんので。

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2006年08月20日

夏休み

本日で大概のスタッフにとって夏休みは終了か? 今年の夏休みはおかげさまでしっかり休んだというか、ぼけ~としていたというか・・・・ずうっと家にいた。

期間中、NINTENDO-DS「どうぶつの森」を楽しんだ(子供に借りた)。まじめにゲームをするのは14年ぶりか? 当時のことを思い出す。セガの16bitゲームマシンだと思ったが、「3x3 EYES(サザンアイズ)」のパイちゃんにハマッタ覚えがある。仕事ができない状態+夜も寝ないで、およそ3ヶ月間ゲームをやり続けた。3ヵ月後ゲームがゴールまでいった段階で、マシンとソフトを金槌で叩いて壊した覚えがある。・・・・怖くなったんだと思う。このままやっていたら会社が持たない、と。
当時業務の関係で、毎月数十本のゲームがダンボールで届けられた。多少ゲームの内容を知らなければならないという事情はあったにせよ、そこまでハマル必要はなかったはずなのに・・・まあ、いい思い出というか、苦い思い出というか・・・・そんなことを思い出しながら、「どうぶつの森」を楽しんでいた。

最近のゲームはよくできていると感心したわけだが・・・・一点、ハードのことで気づいたことがある。
使用したハードは、液晶画面の左側に十文字のコントローラーがあり、その上に「POWER」ボタンがあるものだったが、ゲーム中誤って「POWER」を数回押してしまった。その都度電源が切れてしまい、稼いだポイントが保存されないので非常に悔しい思いをした。
はじめ自分が慣れていないためかなあと思ったが、真剣にゲームをやっていると、ついつい押してしまうような場所にあるのでは・・・と疑い始めた。
翌日のこと。今まで一台のゲーム機を二人の子供がシェアしていたが、僕が横取りして使用したのが原因だったかは知らないが、もう一台のDSが我が家に到着した。それは最新モデルだった。僕が気にしていた「POWER」ボタン部分が、ゲーム機の側面に!それも押しボタン式から左右に移動させるスイッチに変更されていた。やはりか!と思った反面、対応が早いなあと感心した。

一連の体験で、Webのユーザビリティ分野のことを考えてしまった。「正常系」はヒューリスティックでいいが、「異常系」まで考慮に入れるとやはりユーザテストが必要だなあ、と。

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2006年08月16日

映像

映像チームを昇格させ本格的に組織化する。懸案事項ではあったが本日GOサインを出した。
年初から我々らしい映像の可能性を探ってきており、すでに8ヵ月間、ミツエーリンクスVideocastingというコーナで実験を繰り返してきた。Webならではの表現、編集技術、企業活動(マーケティング)で活用可能なカテゴリーの研究、さらにその外側に存在する周辺ビジネスの可能性・・・等、大体イメージがついた(スタッフの皆さんが自らイメージをつかんだといったほうが正解・・)。

ミツエーの映像への取り組みは細々ながら古く、92年にはビデオ制作を行っていたし、93年にはパソコン通信におけるゲームメーカーのプロモーション映像に関わっていた。インターネット時代に入ってからは97年ストリーム関連の制作部門としてトライした経緯がある。ストリームのときはなかなか苦しかった覚えがある。原因は、当時インフラの整備が不十分であったことと、ストリーミングサーバーの使用維持費が非常に高く一般企業がなかなか手を出せなかったためと認識している。

最近「ネットインフラただ乗り論争」などもあり・・・インフラに必要以上の負荷をかけないように心がけるというモラルも念頭におく必要はありそう。しかし、社内外の環境に関しては概ね準備は出来上がったと認識する。
Videocastingなら負荷の低減に貢献し、特別なサーバーも不要で維持コストという面でも大きなメリットがある。また、RSS機能を活用すれば一度興味を持ったユーザーの皆様には更新の都度コンテンツをお届けできる。企業のマーケティング活動を成功に導く手段として、Videocastingを中心にすえた映像コンテンツは今後力強いツールに変貌していくだとうと考えているし、期待している。
担当部門においては、思い切って自分達のワールドを創造していっていただきたい。

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2006年08月15日

弁証法と「守・破・離」

 『使える弁証法』という書籍の著者である田坂広志氏のインタビュー内容がIT関連の雑誌に掲載されていた。興味深く拝読した。それによると弁証法が分かるとIT社会の未来が見えてくるという。重要なことは「螺旋的発展」の概念を捉えることとある。
たとえば螺旋階段を頭でイメージすると、横からみると繋がりながら上に進んでいるように見えるが、螺旋階段を真上からみると、同じところを循環しているだけのように見える。IT革命だとかドッグイヤーやマウスイヤーとか言われ、時代が違ったところにいってしまうように思ってしまうが・・・・いつの時代も、つまりは、(過去と現在を引きずりながら未来にむけて)「連鎖」し同時に「循環」する、「循環」を繰り返しながら「連鎖」し、アップグレードしてくという「事実」を分かり安く説明されていて非常に面白かった。

と、いうことがキッカケで弁証法に興味をもった。
といってもお手軽に勉強したい僕としては、コンビニに足を運び「世界の哲学者50人」(河出書房新社)なる書籍を購入。読み進めると、ヘーゲルにたどり着く。それによると、当時ヘーゲル(1770~1831)は、知識、技術、経験を通じて人間が成長していくことの価値を説いており、その総合的な体験が個人の「自己形成」「自己実現」をもたらすとした。そして、「自己実現」によって完成した精神=「絶対精神」に達するための欠かせないプロセスとして提唱したのが、「弁証法」。・・・・であることを突き止めた。

ヘーゲルの「弁証法」は3つの段階で成り立つ。(以下引用)

1.発見した概念、アイデア、方法などを肯定する段階--「テーゼ」(正)
2.いったん肯定した概念、アイデア、方法を再検討し、その矛盾、不備に気づく、あるいは、おのずと壁に突き当たる段階--「アンチテーゼ」(反)
3.その矛盾、不備、挫折をアウフヘーベン(止揚)して、より高次なレベルに進んでいく段階--「ジンテーゼ」(合)

--「世界の哲学者50人」(河出書房新社)

読後感。
一言でいうと「弁証法」を身近に感じるようになった。とりわけ次の2つは新鮮な発見であった。
まず、「弁証法」の基本プロセスにおいては難しい理論というよりは、人間が自己形成を行うために社会一般に使われている「思考プロセス」を改めて整理したようなもの(あるいはベストプラクティスとして提唱したもの)ではないかと思った。実際、我々が仕事上で何かアイデアをカタチにする場合、ヘーゲル「弁証法」の3つの段階を意識しなくても日常的に使用していることに気づく。
次に、「守・破・離」のプロセスに似ているなあ、と直感的に思った。「守・破・離」とは、不白流茶道開祖の川上不白(江戸時代中期・後期の茶匠)が記した『不白筆記』(一七九四年)に見られ、茶道の修行段階を教えたものであるといわれる。僕は昔から非常にこの言葉が好きで、社内でも古いスタッフは知っている通り、「人の成長は守・破・離」だと言い放ってきたし、現在でもこの精神を前提にスタッフの育成を行っている。(弁証法と「守・破・離」の関係性については、もう少し研究する機会があれば、いつか解説を試みたい)

いずれにしても、ヘーゲルの「弁証法」。身近なものとなって良かったし、西洋の概念と東洋の概念、突き詰めれば本質は同じかも・・・などと想像してみたり、楽しい読後感であった。

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2006年08月10日

尻たたき

一ヶ月半前、システム関連の幹部が、「ドイツに行こうかな、と思いまして・・・・」と。「へえ~、何しに行くの?」とたずねると、「これこれを計画していまして・・・」と。

「それは面白い。じゃ、早くいってコ!」と促した。その後音沙汰がないので、「○○さん、どうした?早くいけ!」と尻たたき。準備ができたようで本日ドイツに出発した。ベルリン、ケルンを訪ねる予定らしい。また、スイスでカンファレンスがあるようで、技術者同士の交流も含めて参加する、と。
僕は鉄砲玉なので、思いついたら即実行!タイプだが、さすがミツエースタッフはしっかりしていて念入りに計画を立てているようだった。

昨日、「気をつけていってらっしゃい!」と声をかけると、「ベルリンには朝7時に到着するんですけど、会う予定のドイツ人が、早速ビアホールで飲もうということになっていて・・・・ 朝からビールですよ!?!」と。

よき関係性は、いい仕事の前提条件だと思う。皆さん自身が立てたプランの成果に期待したい。

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2006年08月09日

夏ばて

夏ばてか? いつも飲んだくれて帰宅することになっているが、昨日は20時には自宅に。そのまま寝て朝の6時までしっかり睡眠。ここ10日間でボストン往復や大阪出張なども重なり、移動疲れかもしれない。

僕の場合、疲れてくると呼吸が浅くなる。自覚症状がでるので助かる。

皆さんのチームや組織も同じようなことがいえて、ある問題が表面化する前に何らかの「余震」のようなものがあるものだ。経験がないと、何が「余震」なのか分からない場合が多いが、表面化した問題の根本要因をひとつひとつ紐解く癖を日頃からつけておくと、次第に余震というか「前触れ」が発生していることに気づく。
小さな問題も大きな問題も、根本要因は同じ場合が多い。小さな問題だから放置しても「いいや!」などと思わないで、「原因を特定しよう」という日頃の訓練を大切にしてほしいものだ。

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2006年08月06日

企業文化

サンデープロジェクトというTV番組で田原総一朗氏が、「20世紀で最も優れた経営者」と言われたあのGE前会長・ジャック・ウェルチ氏にインタビューをしていた。
その中でウェルチ氏は、企業文化の大切さを力説しておられた。たとえば、GEが金融部門に新規参入したときは、GEの製造部門経験者(GEの企業文化をもっている人材)を割り当てた。だから成功したと。一方、田原氏の「一時優良企業といわれたエンロンはなぜ失敗したか?」の質問に対しては、ウェルチ氏は下記のようにこたえていた。
「エンロンはパイプライン関連では素晴らしい企業であった。彼らは次第に商社を目指すようになった。しかし商社のノウハウがないため、外部から人材をどんどん招き入れた。しかし、それは企業としてまとまりのないものになっていった」と。
同じように、ベンツとダイムラーの合併に関しても、どちらがイニシアティブを取るかを決定するために2年も費やしたことがうまくいかなかった要因だと話しておられた。

ところで、ジャック・ウェルチ氏といえばシックスシグマで有名。昔の話だが、GEはシックスシグマを経営手法に使用した以上に、企業文化の統一という意味で非常に効果があったと語っている。つまり、シックスシグマというキーワードによって、企業の価値観、文化、行動規範、共通言語をつくっていったのだ。
企業活動にとって、企業文化を育てることの重要さを改めて認識した。

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2006年08月05日

繋がりの中に・・・

3泊5日のボストンから無事帰国。片道16時間(乗り継ぎ含む)X 2回の飛行は、そろそろ僕にはキツイ(年齢を感じるということ)。
出国5日前にボストン行きが決定したため、エコノミー席が確保できなく、勿体無いと思ったがビジネスクラスを手配して頂いた。席にマッサージ機能まであり、「これは便利」と感心した。食事は手作りのコースではないかと思える料理が次から次へと出てくる。大変おいしい料理ではあるが、飛行機の中でこのような立派なものを頂かなくてもいいから、もっと安いほうがいい。エコノミークラスのパッケージ化されたお腹に貯まらないほどほどの料理の方が僕には向いている。はっきり言ってカップラーメンで十分。

ところで
読もう読もうと思ってなかなか読めない書籍を飛行機の中で読むことができた。やっと読む気になったといったほうがいいかもしれない。梅田望夫氏の「ウェブ進化論」。僕がレビューするまでもなく、Amazonのカスタマーレビュー欄には的確なコメントが多く掲載されている。なかなか読めなかった理由は、難そうに思えたし、断定的な筆運びと、「あちら側」に対する熱の入れ方が、返って躊躇う要因だったかもしれない。

息を止めて、覚悟して読み始めたが・・・・・気づいてみれば一気に読み終わっていた。「そうだったのか」とか「なるほどね」等、いちいち感心しながら読み進めている自分に気づくほどだった。

読後感。
1994年11月のことを思い出していた。初めてインターネットに接続した時のアノ思い。(それ以前はパソコン通信というクローズされた世界の中で企業の情報提供やコミュニケーションを支援するコンテンツを提供していたので・・・余計に感じたことなのかもしれないが・・・・)その思いとは、その感動とは、一言でいえば、「あちら側に繋がっている・・・すべてに繋(つな)がっている・・・世界と繋がっている!」だった。
おそらく著者とは違う解釈だろうが、「あちら側」とは、つまり「繋がっている」ということね。少なくても前提はそこにあり・・・・で自分の中で納得した。
高度1万メートルで読んだためか、さらに妄想は膨らみ、「あちら側」と「こちら側」の「繋がりの中(または中間)にビジネスの芽あり」などと、原書を逸脱した解釈までしてしまった。

インターネットビジネスをはじめた頃の初心に戻ることができた。少なくても、僕にとっては「繋がっている」という思いがどれほどの驚きだったか計り知れない。また、おそらくその当時多くのひとが感じたその感動こそ、将来に大きな可能性を感じ、技術革新を推し進めようとした。原点はそこだったような気がする。いづれにしても刺激的な書籍だった。読み切ってよかった。ありがとうございました。

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2006年08月04日

SIGGRAPH( シーグラフ)

今回のSIGGRAPH( シーグラフ)出張も、代理参加だったわけで・・・というのも部門責任者にとって将来につながるプロジェクトが発生し参加できない状態ということで、僕が・・・・いつもすみません、という感じだ。

昔からSIGGRAPHには数人参加させていたが、部門から見学するだけでなく出展形式にしたいという要望があり昨年から形を変えた。よい刺激になればいい、というぐらいに考えていたので、恥ずかしい話だが、何を出展するのか今日まで現物を見ていなかった(概要は聞いていたが・・・;;)。

本日会場にいって、出展内容を拝見し、僕的には驚いた。「すごいじゃん!」と歓声をあげてしまった。ちなみに僕が感動したものは、現地に来て改良を加えたものらしいので、東京にいるメンバーはだれも知らないはず。

さて、僕にとっては2回目のSIGGRAPH。世界各国から集まった各社のブースをまわる。やはり3D関連の出展が多い。3Dといえば、1995年、米国を訪問したときにシリコングラフィック社を訪れ3D技術に感動、それから10年以上経過したわけだが、動的な進化がここまで来たか!とさらに感動した。
これらの最新技術は、映画、TVCM、ゲーム等で使われることが多いのだろうが・・・・いくつかの技術はWebという我々の領域でも活用できるように思えた。
心当たりのあるブースを何社かまわり、Flashや映像部門に使えないかと交渉してみた。結構値段が張るものばかりで二の足を踏んでしまった。今後の参考にしようと思う。

別セクションでは、次世代技術として可能性はあるが現状研究段階の技術も出展されていた。それらを拝見しながら共通していたことは、先端技術は目に見えない部分に隠し、表面上は自然なものとして誰もが活用できるものを目指しているものが多かった。たとえばある動作をさせる場合でも、マウスを使うのではなく素手を使うとか・・・・理屈ではなく直感的というか・・・・デジタルではなくアナログ的というか・・・。
基礎技術から応用技術の局面に入っているのかなあ、という感想をもった。

今回の出張は代理ではあったが、非常に刺激が多く今後につながる実り多きボストン滞在だった。関係スタッフ諸君、ありがとう。

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2006年08月03日

隠せない時代

話題のボクシング世界戦を当地ボストンでは見ることができず、ネットのニュース速報や掲示板を確認しながら観戦? した。テレビとは一味違った臨場感があり、それはそれで面白かった。
まず、スポーツ紙のサイトでは、事実を冷静に速報しようという姿勢が伺えた。掲示板は、視聴者の皆さん(おそらくテレビを見ながら書き込んでいる)の心の思いや希望を織り交ぜてのコメント(実況)が多い。2つの情報は裏表のように絡み合う。僕はそれらを比べながら試合内容を想像していく。

振り返ると、ニュースサイトの速報では現状の「事実」は理解できるが将来を予測するような情報を獲得できなかった。掲示板は実にまとまりのないコメントが多い割には、試合を行っている両者の呼吸具合というか「状況」が見え、今後の試合運びが目に見えるような感覚になった。

試合後、プロの判定とは別に、「あなたの判定は?」などという一般視聴者が自由に参加できる投票コーナーもあり、多くの視聴者の目が確認できて面白かった。

ネットの時代とは、「隠せない時代だ」と思ったのは6年前ぐらいだろうか? 世の中の多くの事象は自然にできあった事実よりも、誰かの手によって作られたイメージの方が多いのかもしれない。たぶん、昔からそうだったんだろう。違いは、昔は隠せたことも、今―ネット時代はどうも隠し通すことができない時代といえるのではないだろうか? 少なくても合意形成が非常に難しい。 一言でいえば、誰もが情報を発信しかつ共有できる時代だからだ。

たまたまスポーツの話だが、ビジネスにしても同じだろなあ、と思う。マーケティング戦略の中心を過度なイメージ向上に据えたところで長続きはしない。真摯な姿勢と、事実を踏まえたうえで目の前にある階段を上っていくという考え方が最もゴールへの近道、のように僕は思う。

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2006年08月02日

ボストン

米国、マサチューセッツ州のボストンにお邪魔している。
「コンピューター・グラフィック世界最大の祭典」と呼ばれる、SIGGRAPH( シーグラフ)の見学のため。また、昨年からミツエーのクリエイティブ部門のスタッフが小さなブースを借り出展しているため、応援も含めてボストン入りとなった。スタッフ諸君は2日前より準備のため当地に滞在している。

僕がホテルに着いたと同じタイミングで、初日の出展を無事終了したスタッフが会場から帰ってきた。「どんな感じ?」と質問すると・・・
「当地に来るといろいろアイデアが湧き上がるもので、準備していた作品のインターフェースとは別に、新たにもうひとつ制作しました。そのため西○君は、昨日徹夜だったんです。それがまた評判がよくて・・・・」

嬉しい限りだ。教育とは「環境」と「刺激」だと日ごろ思っているが、こうして新たな環境を提供すると、自ら新しい領域を作り出そうとするミツエースタッフ、誇りに思う。

明日は、スタッフの活躍を拝見したり、会場をゆっくり見学しようと思う。

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2006年08月01日

ピンチとチャンス

ピンチと思うこともあれば、チャンスと思うこともある。その局面は多様に存在している。
僕が業務で見かけるピンチとチャンスの傾向は次にあげられる。
「ピンチ:チャンス」あるいは、「チャンス:ピンチ」の関係性は「心理:実態」にたとえられる。
たとえば、ピンチだなという心理状態に陥ったとき、その環境を客観的にみるとあと一歩踏み込めば大きな成果を収穫できる段階の場合が多い。
また、チャンスだなという心理状態のときを客観的にみると、実態はまだまだ力不足にもかかわらず機会が突然到来してしまった、などというときだ。

「ピンチのときこそ、チャンスと思え!」「チャンスのときこそ、ピンチと思え!」とよく皆さんにいうのはそうした経験則に基づいている。

ピンチのときも落ち込むことなく、チャンスのときも浮かれることなく、心のバランスを平常心に保ちながら、目の前に存在する「山」を勇気と気合をもってこえて行きたいものだ。

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