2004年10月10日
則天去私
久しぶりに風邪をひいてしまった。土曜日曜とたっぷり布団の中にもぐりこんでいた。僕の風邪は汗が出るので、下着が大雨にさらされたようになる。一晩で3―5回着替えが必要。着替えがなくなる前に復活できてよかった。
熱にうなされていても、不思議に頭では仕事のことを考えている自分を発見した。例えば、新サービスが立て続けに控えているのでそのネーミングの件、一年掛りで構築したOHSASが10月11日スタートになるので社内の体制は大丈夫か、体調を崩したスタッフがいるようだが大丈夫か・・・経営者というものはみんなこんなものだろうなと思った。
先日弊社の長老、斉藤さんから夏目漱石が書いたといわれる「則天去私」という書をコピーしていただいた。天に従って私心を捨てるという意味。漱石の晩年の悟りの境地だと聞いたことがある。20代の時の僕は「何で私を捨てるの??」と思ったことがあるが、最近は好きな言葉になった。おそらく世界と自分の和解を意味するものであり、さらに「主客合一」という東洋的な匂いがする。弊社の大幹部は殆どが30台前半で非常に若く、「則天去私」という言葉には興味がないだろうが、もう少し年輪を重ね、こういう言葉を理解し体得するとますます会社は発展するだろうなあ、と何気に感じた。