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創業者の独り言

2006年08月30日

去華就実

田舎の自分の部屋(旧)に「去華就実」という掛け軸がある。物心がついたころからその存在は認識していたが、その意味には興味を持つことはなかった。去華就実とは「外面的な華やかさを退け、実質あることに専念しよう」というものらしい。

おそらく40年以上もその部屋の片隅にあるものと思われる。春先に帰郷したときもその掛け軸はあった。久しぶりに掛け軸を見た瞬間、違った意味にも解釈できることに気づいた。(全く自分なりではあるが・・・)

それは、「華が去って、実り就く」(華が咲き散ったあとに果実がうまれる)。
創業当時、小さな音声スタジオがあった(現在は立派になっている)。当時、財政的に余裕がなかったので声優(声の役者)の卵を育てて収益につなげようと考えていた。ある声優を育てるためにいろいろ努力した。チャンスがあれば雑誌等に紹介記事が出るような配慮もした。そんな努力の積み重ねの結果、彼女はFM放送のレギュラーを獲得した。そのとき、弊社の仕事をやめると言い出した。困ったが、彼女の立場になればそのために頑張ってきたのだし、声優としての「華」ということになり・・・・苦しかったが・・・「ダメ」とは言い出せなかった。結局弊社の仕事をやめた。ところが1クール(3ヵ月)後、明るい笑顔で戻ってきた。曰く「FM放送のレギュラーは一度経験すればそれで満足なんです。だからやめました。また、戻ってミツエーでやります。もっと稼ぎたいし・・・・」。
よかったと思った。

ひとは、植物の花と同じだな、と思う。
花なくして実りなし、花のあいだも実りなし。花が咲き、散ったあと「実」がうまれる。

これらの教訓から、幹部諸君に言っていることがある。
・部下に実績(実)を求めるのであれば、その前に部下の華(夢・・やりたいこと)を支援するものだ。
 (当然のことながら、部下においても、自分の目指す「華」が、組織にとって「実」につながるものかどうか十分検討しなければ、有機的関係性は生まれないだろう)

何かに固執したり、「俺が俺が・・」となる人は、まだ、華を咲かせていないだけ。・・・華をさかせてほしいといっているだけのはなし。したがって早く華をさかせてあげればいい。一度「華」を獲得すれば、必ず、視点は「実」に移すものだと思う。運よく自分の華を咲かせることができたら、自分だけが咲き続けようなどと思うのは図々しいことだ。実りから得たものを使って種をまき、より多くの同僚や部下が見事な華を咲かせることができるよう支援することを忘れてはならない。

コメント

(当然のことながら、部下においても、自分の目指す「華」が、組織にとって「実」につながるものかどうか十分検討しなければ、有機的関係性は生まれないだろう)

個人目標と組織目標の有機統一は企業にとって永遠の課題だと思います、下記は自分の理解ですが

【花】も【実】も実は同じ根に繋がっているので、ともに【種】の存続という共通の目標を持ちます、つまり来年も花を咲かせたい、より多く花を咲かせたいという共通の目標があります。
この【モデル】実にいいですね、掘り下げてみれば、むやみに【花】を咲かせば、実る力がなくなります。逆に【花】咲かせなければ、当然実はないはずです。ともに種の存続危機です。

後すこし質問させていただきたいですが、御社が実行している目標管理はどういうイメージですか?

Posted by: 祖 : 2006年08月30日 13:41

祖様、コメントありがとうございます。
仰せの通りかと存じます。うまく補足していただきましてありがとうございました。

>御社が実行している目標管理はどういうイメージですか?
簡単に説明いたします。
まず、5年前に制定された人事システムにコンピテンシ(能力による報酬《職能主義》ではなく、出力された実績による報酬《成果主義》)の概念を取り入れました。そのひとつの手法として「目標管理制度(MBO)」を導入した経緯があります。
また、目標管理制度(MBO)を社内に導入する1年前にはISO14001(環境マネジメントシステム)を取得しました(実はISO14001は環境をテーマにしておりますが、運用システムは目標管理制度そのものなんです。したがって考え方を社内浸透させるためには最適なんですね)。このように準備期間を設けながら人事システムを稼動させました。
特徴は次の通りです。
・毎月単位、全社規模にて各自目標設定(基本的には各自3テーマ)。
・目標設定のプロセスは、自分の直属の上司との合意のもとで決定。
・評価は自己採点--->上司承認というプロセスを踏みます。
・目標管理制度の報酬は、毎月単位で基本給与に上乗せされます。

毎月単位なので中間成果による評価の場合が多くなりますが、5年間続けています。
弊社のようなフラットな組織においても、毎月の報酬に関しては直属の上司が一定の範囲で裁量をもつことは独特の文化を作っているといえるかもしれません。

人事システム全体としては、日本文化である職能主義と欧米文化である成果主義を混在したものとなっています。また、運用が非常に難しく、安定するために一年かかりました。さらに、目標設定の「質」向上に関してもさらに2年の歳月がかかっています。今後も改善し続ける必要があると考えております。
簡単ではありますが、説明に代えさせていただきます。

Posted by: 高橋 : 2006年08月30日 14:40


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