2006年12月31日
インサイドアウト
15年以上前になるが、スティーブン・R. コヴィー氏の「7つの習慣」という本を読んだことがある。その本の中で出会ったインサイドアウトとアウトサイドインという言葉は今でも心に残っている。
簡単に言えば、インサイドアウトとは自分の内面を変えることから始めるということであり、自分自身の根本的な考え方、動機などを変えることから始めるという意味があるようだ。
アウトサイドインとは、被害者意識に悩み、自分がうまくいかない状況の責任を周りの人や環境のせいにする人々だという。
本書は1990年に初版が出版されたが、いまだにファンが多いようだ。相互依存といわれる時代にあって、豊かな人生を切り開く考え方としてインサイドアウトという考え方は非常に有効かもしれない。
実際経営の現場でスタッフの成長を拝見していると結果的に「インサイドアウト」型の人材は技術的習得が早い傾向があり、さらに、幹部候補の基本条件だったりする場合が多い。
先日、「7つの習慣」をよく理解している知人から聴いた話。
・・・・「理解してから理解される」という考え方が重要。相手を信じ、相手の言葉に感情移入して、本当の背景を知ることから始まり、自分も理解されて相乗効果を発揮する。と。
なるほどなあ、と思った。
今年も世界中のいろいろな事件や問題がニュースとして伝えられた。特に世界のあらゆる地域で紛争や戦争が勃発し泥沼化していく姿をみると国際環境は一段と不安定さを増しているようにも思う。
人間ひとりにできることは限られており、かつ些細なことではあるが、「インサイドアウト」の考え方は努力すれば可能かもしれない。今年最後の言葉として、「インサイドアウト」、来年につなげて行きたい。豊かな人生を切り開くために。
コメント
私が『インサイドアウト』という言葉を知ったのは三十数年前、自動車の運転技術を習っていた時です。 カーブの直前、スピードを緩め、曲がり終えたら一気に加速する。
その後、この言葉の持つ意味が実に多岐に渡っている事を知りました。
スポーツの世界では極意ともいわれる技術だったりします。 野球のピッチングでは『小さなテイクバックに大きなフォロースルー』を意味しています。 これは松尾芭蕉が俳諧の奥義としている『浅く入って、深く出でよ。』に通じており、相撲の極意『小さくなって飛び込み、入ったら差し手を返して大きくなる。』にも通じます。
また、陸上競技の短距離走のスタードダッシュにも共通しています。 小さなステップを繰り返して、早くトップスピードに乗り、後は大きなストライドで一気に走り切る。
ビジネスの世界では『段取り八分に仕事二分』と申します。 仕事を始める前に一日の工程を考えておくと、良い仕事が出来る。 これも『インサイドアウト』といえるでしょう。 こう考えていくと、多くの秘訣とか奥義といわれる事は『インサイドアウト』に根ざしているともいえるのです。
Posted by: IXTYS : 2007年06月16日 18:25
IXTYS 様、コメントありがとうございました。
このような意味や使い方があるんですね。はじめて知りました。大変貴重なコメントをいただき感謝いたします。ありがとうございました。
Posted by: 高橋 : 2007年06月16日 18:40