2006年07月13日
標準化と独自性
昨日、夏休みを終了して戻ってきたスタッフと雑談した。どうやらロンドンに10日程滞在したという。彼の情報によると、10年前からロンドン市内では標準化が進み、たとえば、街頭の電話ボックスが日本と同じようにガラス張りになっていったという。ところが最近、電話ボックスの中身、機材は別にして外観は以前のような赤いボックスに切り替わっているという。その背景には、「そもそもロンドンとは何か?ロンドンらしさとは何か?」について議論された結果だという。
とても興味深い話だった。
俗にグローバルスタンダードというと国際的標準化と思われやすいが、ビジネスの世界では「ルールは一緒、あとは個性の競い合い」と訳される場合もあるようだ。僕もそう思っている。
企業活動において標準化は、あらゆる意味で共通化するため、より広い市場に対してアプローチをかけることが可能になるため機会の増大という意味では効果がある。またコスト削減という意味でも効力を発揮する。しかしそれだけでは、企業の価値の増大には結びつかない、少なくても不十分。価値の増大にはどうしても「独自性」というキーワードが必要になる。
標準化と独自性、水と油のような関係性に思えるが、双方なくてはならないものであり、うまくバランスをとり、同時に推し進めようとする考え方が大切なんだろう。