2006年04月23日
- 脱規模の経営をめざして -
週末、久々に元トヨタ自動車工業 副社長 大野耐一氏の「トヨタ生産方式 - 脱規模の経営をめざして -」を読み返している。1978年第1刷発行だから随分古い。ところがこの本を読むといつも勇気付けられる。また、組織やひとを動かすには、筋の通った考え方や熱意が必要であることが、文脈や行間から伝わってくる。
いま僕は、制作工程全般の見直しに関して真剣に取り組まなければと思い始めている。確かに規模の経営は新規顧客や案件については機会の増大という意味ではそれなりの効果があることは理解できるわけだが、このまま組織が膨張すると2-3年後には、品質に対するばらつきの問題、情報共有、プロジェクトの進行スピード、部門間連結作業にかかわる問題等、いろいろ問題が顕在化することが予想され、このまま手を打たなければ経営品質が劣化するだろう。
僕が考えていることは非常にシンプルな方法でこの問題を解決しようとしている。
1.前工程から後工程に順送りされる現状プロセスを否定し、新しい制作工程を開発する。
2.制作工程上、最大の「ばらつき」要因になる入稿管理に関して新しい概念を導入し、コントロール可能な管理システムを開発する。
その他の改善は付随的についてくるが、2年あれば組織的に習慣化することは可能な項目だろう。
これによって予想されることは、制作前段階の作業は10%程度負担が増大するが、全体的作業効率は35%から45%の効率化が達成できるものと思っている。
真の企業力とは、低成長時代でもしっかりとした利益をつくり続けられる、不況に対して抵抗力が強い企業のことだと思う。こういう時期だからこそ、全スタッフでこの取り組みを開始しなければならない。