2006年04月22日
アクセシビリティ・サイト と アクセシビリティ組織
「高橋さん。真のアクセシビリティ・サイトを提供できる企業を目指すのであれば、我々健常者の技術者だけだは限界です。ハンディキャップを持つ技術者が必要です!」この言葉は、1年半前に関連スタッフに釘を刺された言葉。当時僕の回答は、「うぅ~ん」。
また、4ヶ月前人事から提案があった。
「高橋さん。そろそろ会社の規模的にハンディキャップの持つ方を採用する必要があります。こういった人材を紹介いただきました。関連部門(アクセシビリティ)と協議してもよろしいでしょうか?」
僕の回答は、「うぅ~ん」。
「うぅ~ん」と回答したのは、可能であればやりたいが、はたして弊社の受け入れ環境は十分か? せっかく入社されても、サポートが十分にできなくて孤立したらどうしよう? 通勤時、込み合う新宿周辺で怪我などしたらどうしよう? こんな心配をしていたのだった。
結局スタッフの熱意に負けて、「君達が責任をもってサポートできるのであれば・・・承認しよう」と許可した・・・・・・現在、入社してから3週間になる、辻さんという視覚的なハンディキャップを持つアクセシビリティ技術者が在籍している。
先日、あるディレクター同士の雑談に参加していると、こんなことを言っているスタッフがいた。
「ミツエーって不思議なんだよなあ。まだ辻さんが入社して浅いのに、昼食の時やリフレッシュルームを出て自分の席に戻ろうとするときなど、誰ということではなく、そこに居合わせたスタッフが必ず肩を貸して彼をサポートしている。それも自然にやっているんだよなあ」と。
本人にも確認してみた。「辻さん、みんなのサポートは十分ですか?困ったことはありませんか?何でも言ってくださいね。」と質問すると、「はい、おかげさまで、いままで一番いい環境の中で仕事をさせていただいています。」というお言葉を頂いた。大変うれしく思った。
また、スタッフを信頼し、進言を採用してよかったと思った瞬間だった。
今後、アクセシビリティ関連技術の更なる向上には大きな期待を寄せているが、 同時に誰が入社しても受け入れ姿勢がしっかしたアクセシビリティ組織へと変貌するために更なる努力が必要であろう。