2005年08月05日
和(やはらぎ)
聖徳太子の17条憲法-第1条には下記のように記されている。
「一に曰く
和(やはらぎ)を以(もっ)て貴(たつと)しと為す。忤(さか)ふること無きを宗(むね)とせよ。人、皆な黨(たむら)あり。亦達(さと)れる者は少し。是を以て、或は君父(くんぶ)に順(したが)はず、乍(また)隣里(さととなり)に違(たが)ふ。然れども上(かみ)和(やは)らぎ、下(しも)睦(むつ)びて諧(ととの)へば、事を論(あげつ)らはむに、則ち理(ことわり)自ら通(かよ)へり。何事か成らざらむ。」参照
争いの絶えない時代、聖徳太子の思いがにじみでている。ところで
和とは、「まとまること」と思っていたが、「やわらかい心」と解釈すべきものかもしれないと思った。国家とは言わなくても組織にたとえるとどうなるだろうか?
「うちとけ、やわらかく柔軟な心を持つことが最も貴いことであり、理不尽に背き逆らうことがないよう心がけなければならない。人はみな部門やグループを組み、その中で業務を行っているので、全体や他部門を理解できるものは少ない。このことが上下、他部門との摩擦の原因になる。しかし、やわらかく柔軟な心を持って接し、相手の立場を理解しようとし、論じ合えば必ず物事は解決していくに違いない。」
我々の業務は一人では成果物を完成させることができない。専門家達のコラボレーションによって完成させていく。コラボレーションの成否はコミュニケーション技術に影響を受ける。コミュニケーションは相手に理解して頂くための会話の技術が必要だが、それ以上に相手を理解しようとする姿勢が最も重要だ。つまり「和=(うちとけ、やわらかく柔軟な心を持つこと)」がすべての最初に位置する仕事ということになりそうだ。