2005年07月17日
リスクマネジメントと一体となって機能する内部統制の指針--内外モデルの比較
リスクマネジメントと一体となって機能する内部統制の指針--は、2003年、(経済産業省~リスク管理・内部統制に関する研究会報告書によって公表された。
フレームワークの特徴は、資料を拝読するかぎり多くを語っていない。しかし、全社活動のための環境つくりや情報伝達の基盤づくりの重要性をうたい、組織の各層別にPDCAサイクル、コントロール、モニタリングを実施する等、プロセスマネジメント手法の色合いが強いように感じた。また、独立した内部監査システムの構築の必要性、企業経営者の意識と行動のあり方に関して触れている。いずれにしても、組織の持続と発展という視点が根底にあり、企業集団全体で一体となった取組の必要性に着目しているところが海外モデルと比較すると特徴的ではないか?
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以下、参照した資料 中間報告(案)(PDF形式:911KB)i50713b - P6(経済産業省Webサイトより)
(1)リスクマネジメントと一体となって機能する内部統制の指針(経済産業省~リスク管理・内部統制に関する研究会報告書)
○企業を取り巻くリスクに対応し、企業価値を維持・向上する観点からはリスクマネジメントと内部統制は多くの共通する部分を有しており、両者を一体としてとらえ、機能させていくことが必要となっている。このような背景から、企業が自らの価値を維持・増大するためのリスクマネジメントと内部統制に関する指針を提供することを目的としている。
○内部統制の構成は、企業全体で共有され、企業構成員が業務執行する際には、「健全な内部統制環境」及び「円滑な情報伝達」が基盤となる。このような内部統制の基盤の下で、経営管理プロセス及び事業活動に組み込まれた形で、経営者層、管理者層、担当者層の各層で個別にPDCAサイクルを実施し、かつ各層間でコントロールとモニタリングを行う。その上で、このような統制機能全般を独立して監査するための監視機能(内部監査)を構築することが必要となる。
○企業経営者の意識と行動が、リスクマネジメントと内部統制のあり方と水準を規定し、企業行動全般のあり方に大きな影響を及ぼすことになるため、企業経営者の役割は重要である。