2005年07月15日
VOC(顧客の声)
成果物の納品時に送信されるお客様アンケートはISO10002や長年培ってきた手法を用いて集計される。最近はQFD(Quality Function Deployment-品質機能展開)もうまく使いこなしているようだ。昨日拝見したデータは極めて貴重なデータだと思った。ここまで来るとさらに上を狙いたいものだ。
顧客満足度関連で興味深い話として、カスタマー・ロイヤルティ・リサーチ・センターのオールディ・キーン氏の発言がある。
「一番満足度の低かったのは誰だと思いますか? 不満を訴える顧客のほとんどは、製品やサービス戦略のターゲットとされていなかった人々なんですよ」(The Six Sigma Way)。
「顧客満足度測定」は、VOC(顧客の声)システムの構築とも呼ばれる場合がある。これらを実施する場合、自社商品やサービスのターゲットを定義しておかないと、収集されるデータを一義的に見てしまい、否定的なデータに対して自戒的になる。自社の業務に余程問題があるんだろう・・と。
オールディ・キーン氏の発言を参考にすれば、個別の不満要素やその原因を捉えることは重要だが、データを積み重ねながら回答を寄せてくれた顧客企業様の「層」を捉えることが極めて重要だということだろう。
「層」をどのように定義かも研究のひとつとなる。たとえば、デモグラフィック(性別・年齢・年収といった属性から分析)、サイコグラフィカル(心理的な趣味・嗜好・関心・興味といった点から分析)等、ひとの属性を企業に置き換えても面白い。また、The Six Sigma Wayを参考にすれば
・満足している既存顧客層
・不満を抱いている既存顧客層
・失った顧客層
・競合他社の顧客層
・潜在顧客層
・将来購入する見込みのある層
なども参考になる。インターネットの時代においては他にもユニークな分析方法が見つかるかもしれない。いずれこれらのノウハウは顧客企業様に提供し、活用していただきたいと考えている。さらに研究していただきたい。