2005年05月20日
余力
僕が一貫してトヨタ生産方式に関して興味をもち続け、研究しているのは、Web業界において「標準化」という概念が定着していないからであり、たとえ考え方が分かったとしても実践ベースに落とし込めないからである。この業界が企業として社会構造の一端を担うためには、「標準化」においてベストプラクティスとなる企業の存在がどうしても必要だ。さらに、標準化とクリエイティブの関連性をどのように定義し、クリエーター諸君に理解を求めるかということも大きなハードルとなる。
僕が思うに、多くのクリエーターが十分な時間をつかってクリエイティブ活動ができないのは、付加価値を生み出す以外の作業において標準化ができていないだけのことだと思っている。そこに「余力」を創り出すためには、顧客企業様に法外な予算を要求することでもないし、より多くのスケジュールをいただくことでもなく、自らの作業をプロセス分解し標準化できるところは標準化してしまうことだ。
つまるところ、標準化とはクリエイティブを生み出すための環境づくりであり、前提条件と捉えると推進しやすくなるのではないか。