2005年05月12日
技術力とブランド
4-5年前の新聞だったろうか?記事内容のことをふっと思い出した。内容はこんな感じだった。
「新しい市場が生まれて、その市場が未成熟な段階では、消費者は何をよりどころにして会社や商品を選んでよいか迷う傾向にある。この段階では露出度の高いところ有名なところを選ぶ傾向にある。ところが市場が成長し、消費者が一度その会社や商品を使ってみる機会に触れると自ら判断することが可能になる。この段階になると初期段階に作られたイメージや露出度を中心に据えたブランド戦略はすでに通用しなくなる」
なるほどね。と思ったものだ。
確かにどの分野にしても先行利益があり、早ければ早いほど市場における優位性は存在するものと思われる。実際世の中を観察していても事実だ。
しかしながら、初期段階、成長段階、成熟段階によって、ブランド(焼印)形成の中心課題は異なるものと思われるし、初期段階で成功した先行企業でさえも次の瞬間は、内容や技術力をもって形成されたイメージとのギャップを埋める手段にでないかぎり、市場から継続的な信頼を獲得し続けるとは難しいだろう。
特にインターネットに代表される情報社会は「隠せない時代」と言い換えることができると思っている。イメージをうまく形成できたところで、「実際はどうなの??」ということになり、検索エンジン等でしらべればその実態はバレバレになる。こういう時代はイメージと事実があまりにも乖離してしまうと逆効果を生む可能性さえある。
マーケティングの一分野として「ブランド戦略」はどの企業においても重要な課題ではあるが、それに頼り過ぎないことが大切だ。企業本体としてはあくまで内容や技術力を磨き続けるという志向性が必要であり、それによって真の信頼を勝ち取る努力こそ、持続的成長という側面において大切だ。