2005年05月05日
答えはどこにあるか?
先日、ある経営者の方とお話する機会があった。まだ創業間もない段階ではあったが考え方が非常にしっかりしており素敵な方だった。同時に、創業当時誰もが苦心する共通の悩みがあるように思えた。
「答えがどこかに存在しているように思えて、ビジネス書等いろいろ読むがそれでも違うところに答えがあるように思えて不安だ」というような内容だった。
「あなただけではなく、皆、同じですよ」という返答をした。事実だからしょうがない。物まねをしてうまくいくこともあるが、そういうことのできる器用な方はごく一部のひとであり、自分が普通の人間だと思ったら自分らしい答えを発掘して、それを追い求めた方がビジネスは面白い。
評論家等が「勝ち組、負け組み」などという単純なグループ分けをすることも問題だ。経営者を不必要な不安に追い込むからだ。それぞれの企業は歴史やゴールがそれぞれ違うのであって、それぞれ段階というものがある。同じ価値観やものさしで比べるようなものではない。
答えがあると思えば、不安になってそれを追い求め、右往左往し続け、おまけにいつまで経っても行動が伴わない。無いと思えば行動を通して自分自身の答えを見つけようとする。案外こんなところが大切だったりする。
ちなみに、答えのないものに対して何らかの答えを模索する場合、シックスシグマのブレークスルーが参考になる。思考プロセスは下記の通り。
定義(Define)---->「本来あるべき姿」は何か?
↓
測定(Measure)--->「現状の事実」は何か?
↓
分析(Analyze)--->上記の「ギャップ」は何か?
↓
改善(Improve)--->最も重要な課題(全体の20%)の改善は、80%の改善に匹敵するという法則に基づいて、解決策を絞り込み実行する。
↓
管理(Control)--->うまくいった場合は、持続できるようにコントロールする。うまくいかない場合は、最初に戻る。
DMAIC(デマイック)というこの手法は、現実的にはストレートに進むことはないが、試行錯誤しながら答えを見つけるプロセスとしては有効だと思う。とにかく迷ったら、「本来あるべき姿」は?と自問する習慣をつけることからはじめてはどうか?