2005年03月11日
M&A
連日のように、M&Aに関するニュースが流れる。M&A(Mergers and Acquisitions)は日本語訳すれば「企業の買収と合併」、一般的にM&Aと言う場合は広く提携まで含める。経営の現場において、新興勢力による既存勢力の経営資源をダイナミックに融合するというプロセスが始まったということなのか?
M&AというとGEのジャック・ウエルチを思い出す。GEのような国際的なM&A企業は、国境の文化の違いを超えて買収と合併を繰り返す。ところが企業というものは有機的なものであり単純に足し算になるというわけではない。頭のなかではシナジー効果が生まれると思っても、実際にはM&Aによるマイナス側面も多く存在することを認識しなければならない。
GEのシックスシグマは経営手法として非常に有名だが、ジャック・ウエルチによれば、経営手法に使用した以上に、企業文化の統一という意味で非常に効果があったと語っている。つまり、シックスシグマというキーワードによって、企業の価値観、文化、行動規範、共通言語をつくっていったのだ。
M&Aブームはしばらく続きそうだが、買収する側の企業は、強い収益性と価値観を共有できるような強い企業文化をつくり、それが受け入れられるよう努めていかなければ、単なるままごとの世界で終わってしまうだろう。すくなくても単なる足し算的な考え方ではいつかほころびが生まれそうだ。