2005年02月08日
CSRの構築
昨日ISO14001(環境マネジメントシステム)の維持審査があった。昼食の時間に審査員とEMS(Environmental Management System)の今の流れについて意見を交わした。やはりCSR(Corporate Social Responsibility)へと流れているのが主流だとおっしゃっておられた。先日幹部の山下にCSRの現状を質問したときも、現状のCSRは「環境とコンプライアンス」が中心だと言っていた。CSRもまだまだ混沌としているなあ、というのが僕の感想。アプローチが悪いと言っているわけではないが、難しく考え過ぎて・・逆に容易なアクションプランで収めようとしている意図が見え見えだ。
企業においてEMSを管理している方々を別名「環境族」というが、この環境族に「環境」を基点にしてCSRを想像させてもなかなかイメージがつかないのではないかと思う。CSR的に言えば、EMSはあまりにも範囲が狭い。
では、何があれば解決するかと言えば、「環境」とCSRのブリッジになる共通の「キーワード」があればいい。そのキーワードとは何かと言えば、ステークホルダー(Stakeholder=顧客、株主、従業員、取引先、地域住民、求職者、投資家、金融機関、政府・・・等))ということになる。
企業がCSRに取り組む前提として、まずステークホルダーは誰かを定義する。企業とステークホルダーの本来あるべき姿(どのような関係性を構築することがお互いハッピーといえるか)を定義する。企業の現状を捉えながらスコアリングによって重み付けを行う。
このようなプロセスによってはじめて「どの分野で何をすべきか?」が見えてくる。決して「環境とコンプライアンス」だけではないということが自ずと理解できるようになる。
一言でいえば、CSRを「環境」あるいは「社会的責任」というアプローチでスタートするとわけがわからなくなるが、「ステークホルダーとの関係性」というアプローチでスタートすると誰でも設計可能になる。しかも結果は同じように導き出せる。
そしてCSRの具体的な構築なり運用はどうすればいいかと言えば、環境族が使用しているISOのフレームワークを使えばいいということになる。決して難しいことではない。