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2005年01月16日

SRM (Stakeholder relationship management)

SRM(stakeholder relationship management=ステークホルダー・リレーションシップ・マネジメント)。

この言葉はもうしばらくすると社会に浸透し始めるかもしれない。

先日トラックバック頂いたマーケティングコンサルタントの徳田氏によれば、「CRMが『当然のものとしてすでにあった』私たちの世代からすれば、定義がようやく追いついた、という感すらあります。」とコメントされている。 なるほど、と思った。
マーケティング分野においてCRM(customer relationship management=顧客関係性管理)は、企業活動において重要な要素だと言われて長い年月が経過している。ツールが先行し、何か新しい考え方のようにもてはやされたが、実態はなかなか前に進んでいる感覚がしない。
その理由は、CRMが昔から存在していた企業活動の中心的活動であるということを認識しないまま、言葉だけが先行し、海外から渡ってきたよそ者のように捉えたことも要因している。米国マーケティング協会(AMA)の新定義を受けて、企業活動の末端までCRMが浸透していくことを期待したい。

ところで、CRMをもう少し噛み砕けば、企業活動における最も重要なステークホルダー(利害関係者)である顧客との関係性管理ということになるが、「マルチ・ステークホルダー・エコノミー」と呼ばれる新しい時代の到来によってそのステークホルダーの範囲が広がった。つまり、ステークホルダーは(顧客、株主、従業員、取引先、地域住民、求職者、投資家、金融機関、政府・・・等)になる。

時代の流れからいって、CRM-->SRMという考え方はマーケティング分野においても避けて通れないだろう。
このように対象範囲が広がると、簡単なツールで達成できるものとは思えない。各社ステークホルダーの定義、それぞれの重み付け、組織全体への浸透や、実行-->レビューという流れを考えると、プロセスマネジメントの手法も念頭に置く必要があるかもしれない。

ハードルは決して低くないが、このような考え方をいち早く導入し、時間をかけて育てていく企業が、真っ先に社会から歓迎され次世代の勝利者となることだろう。SRM(stakeholder relationship management)という考え方は、マーケティング分野だけでなくCSRにも関係することであり、その視点からも期待したい。

コメント

言及いただき大変光栄に存じます。「SRM」という新しい概念についての記述、とても腑に落ちました。現在、マーケティングの5つ目の「P」ということで「パートナリング」という要素が挙げられつつあります。まさに時代は、パートナーシップ、リレーションシップという「関係性の網の目」をこれまで以上に重要視する段階へと突入しつつあるのでしょう。「企業の社会的責任」という時の「社会」とは何か、を改めて深く問うことが求められているのだと思います。

Posted by: 徳田太郎 : 2005年01月16日 22:00

徳田さん、こんにちは。
大変勉強になるサイトですね。こちらこそ、これを機に研究させていただきたく存じます。
今後ともよろしくお願いいたします。
高橋

Posted by: 高橋 : 2005年01月17日 10:30

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