2004年11月03日
三現主義
トヨタから学ぶことは多い。すでにコンサルティングをお願いしてから7ヵ月目に突入している。考え方は概ね理解し、今後考え方の社内浸透を進めながら、プロジェクトチームが具体的なプロジェクトを実行するための設計に入る。来年4月からは全社的な活動に入る計画。
何事もそうであるが、言葉を理解しても意味を理解しないことには、うまく進まないものだ。特に経営は、組織的な活動になるので言葉(キーワード)に潜む「考え方」をしっかり理解しないことには社内浸透には至らない。
先日、ある案件における品質管理に関して問題になった。幹部が集まった会議室では、ああでもないこうでもないと意見が続出した。その時、トヨタプロジェクトの責任者が一言。「ここで、ああでもない、こうでもない・・と言ってもしょうがない。三現主義を学んでいるのだから、みんなで現場に行って事実を確認しよう!」
「なるほど!」ということで、現場に行って事実確認をした。問題の特定は5Mの手法を使うことになっているのでそれに従って行う。すると、制作現場において方法(Method)・測定(Measurement)の2点に問題があることがわかった。具体的には、比較的在籍期間の短いスタッフによって作業が行われ、検品プロセスに誤解が生じていた点=方法(Method)、さらに、案件がWeb標準という新しいサービスであり、本来検品自体のスコープ(範囲・項目)を変更する必要があったにも関わらず、従来の方法で検品していた点=測定(Measurement)。
上記を特定し、改善策、今後の予防処置に関してスタッフ全員が「ガテン」するまで5分とはかからなかった。恐ろしきパワーを発揮した「三現主義(現場・現実・現物)」。
失敗しても個人の責任にしないということがミツエーのポリシー。事故が発生することはあっても同じ事故を2度起こさないということが、顧客企業様に対する約束。こうして学んだことを着実に現場の業務に生かし、改善していこうとする弊社スタッフ。その姿勢を誇りに思う。