2004年09月27日
Webサイトの価値
「トヨタのWebサイト価値は約1000億円!」最近のWeb関連ニュースとしてはホットなニュース。誰もが驚いたことだろう(高額という意味で僕も驚いている)。
ニュース記事を見る限り、この評価システム(Japan Brand Strategy, Inc.社)のユニークなところは、主に財務の視点に特化した評価であること。現在(OR過去)の評価が中心であること。また、価値が高額な要因は、「情報価値」の定義を「ほかのメディアであればどれくらいコストがかかるかというコストアプローチの手法」という代替の評価を採用しているためではないかと思う。規模の大きい企業ほどWebサイト価値も上がる傾向、ということになる。
ところで、私見だが、「価値」という言葉は慎重に使用しなければならないと思っている。特に「企業活動関連における価値」といった場合非常に難しい。一つには、企業を取り巻くステークホルダーによって価値基準が違うこと。二つ目に、定義(とらえる視点)が曖昧だと思わぬ誤解が生じやすいこと。三つ目に、変化の激しい時代であることを加味する必要があること。つまり、過去・現在の価値が将来の価値を保証しない。最近は、企業価値の評価とは企業の将来価値を推し量るためにあるといっても過言ではない。したがって将来価値を測定する何らかの視点と仕組みを考えなければならないということ。
この点、バランス・スコアカードの手法は非常によく出来たツールだなあといつも思う。将来的な企業価値を想像しているために導入しやすいツール。実はWebサイトに関しても同様なことが言えるなあ、と考えていた。
いずれにしても、日本経済において無形資産の取り扱いについてその重要性が高まっている。このような試みは大いに評価すべき。また市場に刺激を与えるという意味で、Webに関わるものとして歓迎。