2004年09月14日
「情報の信用度は、距離に反比例」という心理現象
ひとは「血縁」の近い人ほど信じる傾向にある。
しかし、社会生活をしていると妙な現象にぶち当たる。心理的に「情報の信用度は、距離に反比例」してしまうということである。反磁石のようなもの。情報の発信地が遠ければ遠いほど信じる力が強く、近ければ近いほど信じる力が弱くなる。例えば、「米国では・・・」という論法で話されると、呪縛にかかったように逃れられない。もうひとつ、発信元の「権威」が有れば有るほど効果的。市場心理というものは事実とか実力という中身を度外視し、勝手に連想しながらイメージをつくりあげていく。
実に面白い現象だ。Webサイトでも多用しているところがある。戦略として決して悪いことではない。しかし注意しなければならないことがある。これらの手法が通じるのは、第三者の評価を重んじるレイトマジョリティという層であって、イノベーターやアーリーアドプターと呼ばれる人たちには通じない。彼らは自分で調べて事実確認をし、自分で価値判断するタイプの人たちだからである。同時にこの二つのグループが市場のオピニオンリーダーになっていく。
Web構築を考える場合、イノベーター、アーリーアドプター、アーリーマジョリティ、レイトマジョリティ、ラガード、それぞれの顧客層に向けて情報を発信しなければならないと考えている。トップページに大手ブランド企業名を並べて効果をだしているつもりが、それだけではかえって自社のブランドを傷をつける場合さえある。
「情報の信用度は、距離に反比例」。取り扱いには十分注意したいものだ。
参考:イノベーター理論