2004年06月22日
ウェブコンテンツJIS(JIS X8341-3)
やっと来たね。ウェブコンテンツJIS(JIS X8341-3)
正式には「高齢者・障害者等配慮設計指針 - 情報通信における機器・ソフトウェア・サービス - 第3部:ウェブコンテンツ」。主な内容としては、高齢者や障害者(一時的障害含む)のWeb利用において、Webアクセシビリティを高めるためにWeb制作者が配慮しなければならない事項について、指針として規定されている。
今後、広いユーザ層をもつ官公庁、大企業は必須の条件になることが予想されるが、実装を受け持つWeb構築企業がこのノウハウを持たない限り、社会浸透はなかなかすすまないであろう。
弊社のスタッフはこの分野を随分前から研究していた。思い返せば3年前、ISO13407(人間中心設計プロセス)のノウハウを習得するために1年間コンサルティングまでお願いして研究していた。この規格はISO〔国際規格)になっているが、もともとはドイツの規格である。より高いWebユーザビリティ開発の為に、わざわざ自動車等工業製品のユーザビリティに使用する設計プロセスのノウハウまで研究したのだ。その後弊社独自のWebユーザビリティを開発し、さらにノウハウをアクセシビリティへと水平展開していったという歴史がある。
またW3CのWAI(アクセシビリティ関連)のメーリングリストに参加し、世界の専門家と積極的に意見交換している様子を目にすることが出来た。W3Cのアクセシビリティ基準であるWCAGに関しても専門領域に達し、自社サイトの一部を準拠、さらにサービス化も完了した。先月、ニューヨークで行われた国際会議においても、日本のJIS化の話がでると、WAIの責任者に積極的に質問したり、意見交換している弊社のスタッフがいた。
ウェブコンテンツJIS(JIS X8341-3)準拠サービスが昨日リリースされた。専門家を生み出し、このサービスが出来るまでには、このような長いストーリーがあった。
今後ウェブコンテンツJIS(JIS X8341-3)に準拠する最良の方法としてWeb標準に準拠することが前提になる時代が来ることだろう。