2005年05月21日
最適化と標準化
業務でいう最適化とは、一見ベストなものや頂点に存在するもののように捉えがち。成熟度モデル等を研究するとそれが間違いであることが理解できる。最適化とは、静的(または固定的)なものというよりも動的(または流動的)なものと捉えることが大切だ。一言でいえば、変化する環境要因を予測可能な状態にし、結果を待つまでもなく新たな施策を打てる状態を意味する、と捉えた方が正しい。これは極めて困難な道のりであるがやりがいがある。
昨日触れた標準化もしかり。一端設定されたからといって守ることだけに専念しては惰性的になる。一歩間違えれば、標準のためにものをつくることで満足するようになり、人間のクリエイティブ性や能力が鋭くなるどころかかえって鈍くなってしまう。これでは標準化を行う意味がない。
標準化の要素には5M+1(材料、方法、マシン、測定、環境、人)があって、それらが相互に有効に組み合わさっていないと有効な標準化はできないわけであり、人間が疎外されるような意味合いとは程遠い。有効な「標準化」とは緻密で弾力的なものであり、常に頭をフル回転して継続的な改善を前提にして実行すべきものであろう。
コメント
いつも読ませて頂いています。示唆に富んだエントリに刺激を受けております。
標準化については、私も考えていることがあるので、コメントを書かせて頂きます。
定型作業と非定型作業を分けた場合、定型作業の方を標準化できるとは思うんですが、この区分はそのときの経営環境に応じて変わると思うので、そのあたりを上手くさじ加減すれば、良いと思います。
また、最適化も同様に思います。
標準化も最適化もあまりコストをかけると、効果とのトレードオフ上、損になる場合もありますので、そのあたり、損益分岐点を上手く見極めて進める必要がありそうですね。
Posted by: besus : 2005年05月21日 19:52
besusさま、コメントありがとうございました。 定型作業と非定型作業の分解方法、非常に理解しやすくアクションプランに落とし込みやすい優れた方法だと思いました。
費用対効果に関しても、ISO9001導入間もない時期にこの問題で痛い目にあっていますので、ご指摘、非常に同感いたします。
大変参考になりました。ありがとうございました。
Posted by: 高橋 : 2005年05月22日 08:54