2005年05月07日
あり得ないことは、あり得ること
重大な電車事故が起こったことを知りつつボウリングに興じていた区長がいたとして社会から批判が集まっている。半年前、スマトラ島沖地震の時もヨーロッパのある国の大臣が自国の国民が被害に巻き込まれていることを知りつつタイで年末休暇をつづけたとして批判を浴びた。
10年前にはこんなことがあった。ある銀行のニューヨーク支店トレーダーが米国債不正取引に絡み約一千百億円の巨額な損失を出したうえに、隠蔽(いんぺい)工作をしていたことが発覚し社会問題になり、さらにその銀行や数千名の行員を窮地に追いやった。(現在その銀行は吸収合併され存在していない)
一見あり得ないと思えることが起こる。このようなことに遭遇するととても他人事とは思えない。一企業としてどのように捉えればいいのだろうか?それはあり得ないことではなくあり得ることとして認識することだと思う。
ミツエーの場合でも例外ではない。受託型企業であるがゆえに少なからず事故やクレームが発生する可能性がある。4年間かけて莫大な資金を投じてISO10002のプロセスを構築し運用してきている。おかげさまでクリティカルな事故やクレームは大幅に削減されていることは確かだ。しかしそれでも完璧というわけにはいかない。最後の2-3%に穴が開いている。その穴から事故やクレームが発生する。
ミツエーにとってあり得ない・・・と思ってみるものの、よく事実を確認してみると管理手法に穴が開いていることに気付く。
個人を責めたところで、また個々の良心に任せたところで解決するような問題ではなく、「社風がいけなかった」と認識しその穴を時間をかけても埋めていく努力を行い、企業システムとしてさらに社風といえるまで高めない限り「あり得ない」ことは、どの企業でも起こり得ることだと認識すべきだろう。