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2005年01月17日

関係性のデザイン(設計)

SRM(Stakeholder relationship management)と言ってはみたものの、この程度では当て逃げと言われそうだ。最も重要なキーワードとなる「関係性」について僕なりにもう少し考察してみようと思う。

○関係性の重要性
たとえば、「関係性」をブランド的に言えばこの用語集の定義を活用できるだろうか。この文脈を活用してマーケティング分野におけるSRMの関係性(relationship)の重要性を定義するならば、下記のようになる。

「SRMにおける関係性の重要性とは、いったん構築され、あるステークホルダーに認められた『関係性』を他のステークホルダーに展開することによって、ステークホルダー間の関係性を紐付けることができます。多くのステークホルダーは、企業が有する既存のステークホルダーとの関係性を通じて、自分との将来的な関係性を理解することができます。」

このようにSRMでは、企業とあるステークホルダーの一対一の関係性をそれぞれ構築するのではなく、既存の関係性を使い、新たなステークホルダーに対してすばやく関係性をつくるというプロモーション要素が必要とされるだろう。

○関係性のデザイン(設計)
恋愛ではよく「赤い糸」という表現が使用されるが、企業と多くのステークホルダーとの関係性もこの言葉を使用できるのではないかと思う。関係性をデザイン(設計)するということは、企業と各ステークホルダーとの間の紐付け方(色と太さ)を定義することではないだろうか?

SRMは、多くのステークホルダーを相手にするわけだが、それぞれ個別に対応するのではマーケティング的に割が合わない。そこで、全ステークホルダーを意識しつつも重み付けを行い、スコアリングの高いステークホルダーの関係性を通じて、他のステークホルダーとの関係性を育てるという方法論をとることが現実的といえよう。

○これらを実行段階に移すにはどうすればいいのだろうか?
米国マーケティング協会(AMA)は、組織的な機能(function)・プロセス(processes)という言葉を使用しているが、要はこの言葉の延長線には、プロセスマネジメントだよ!と言っているように聞こえる。つまりこんな具合に構築していく。

1.自社のステークホルダーは誰かを定義する。
2.現状の事実と本来あるべき姿のギャップをとらえる。
3.自社の影響度と、ステークホルダーの影響度をはかり、各ステークホルダーとどのように関わる(糸の色と太さ)かを決める。
4.実行プランを立てる。
5.組織を動かす仕組みに関しては、プロセスマネジメントのフレームワークを使用してコントロール可能な状況を構築する。
6.定性的なデータをもとに、継続的な改善を図る。

このようになるのではないだろうか。具体的には、シックスシグマのブレークスルーやISOのフレームワーク、バランススコアカードを使用しながら構築する必要がある。また、QFDなどのツールを多用しながら重み付けを特定していくことになるだろう。

一見複雑に見えるが、構築できてしまえばパッケージソフトへと展開でき、運用が容易になっていくことが予測できる。

SRMの到来は、今までのように単純な仕掛けというわけにはいかないが、各専門分野が集まり研究を進めることによって、我々でも容易く活用できるツールがきっとできることだろう。
期待したい。

コメント

 売り手と買い手という取引関係は相互にステイクホルダーになります。そして、この関係性は「糸の色と太さ」(魅力的で的を射ている表現)によって相互信頼・依存・関与の深さが決まるのだろう。
 取引相手は1社ではないので、ステイクホルダーも複数あり、その中で最も強い「糸の色と太さ」を持つ企業との関係性は重要であるのですが、同時に危険性を持つ場合もあります。
 この危険性こそ下請化になる可能性ではないでしょうか。
 経営が自立しているのですが、この取引が長期になり取引金額も大きくなると、関係性を深め過ぎない工夫に悩みます。

Posted by: 西村盛親 : 2006年05月08日 18:44

西村様、コメントありがとうございます。ご指摘の件、仰せの通りかと存じます。
恥ずかしながら、今から一年以上前の自らのエントリーを改めて読み返してみますと、マーケティング的色彩が強く、プラス側面だけだったような気がします。

プラス側面が高まれば、同時にマイナス側面の可能性も高まことは多くの事例があるようです。身近なところではIT化が進み利便性が高まれば同時にリスクも高まることはよく言われていることです。また、各ステークホルダーは利益相反を起こすことが多く、如何にバランスを取るかは私も含め多くの方が悩むところかもしれませんね。

ありがとうございました。

Posted by: 高橋 : 2006年05月08日 23:29

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